こども・若者の“参画”に向けた取組について-今後の具体的取組について-

Q.小早川一博 議員(公明)

こども基本法が制定され、その理念の中には「全てのこどもについて、意見を表明する機会及び多様な社会的活動に参画する機会が確保されていること」と明記されています。この参画を促進するためには、こどもや若者を応援できる環境や、その機運を社会全体でいかに醸成していくかが非常に重要だと考えます。
昨年から、こども・若者を応援し、居場所づくりに取り組む自治体や団体と積極的に意見交換を行ってきました。その中の一つに、兵庫県尼崎市立ユース交流センターがあります。「中高生のやりたいをやろう」をコンセプトに、学校でもない、家でもない、若者の居場所として運営されています。
ここでは、様々なロールモデルとなる人との出会いを通じて、いろいろなことにチャレンジしながら学ぶことができる機会の提供がされます。また、悩みや不安を相談し、一緒に考え、そして次のステップに進むサポートを行うなど、全てのこどもたちが自分らしく生活できる社会を目指し取り組まれています。
さらに、注目したいのは、令和2年から始まったユースカウンシル事業です。この事業は、その地域に住む若者たちの声を集め、若者をエンパワーメントし、まちを変えていくための協議体「Up to You!」という取組です。若者が自分たちで自分たちのまちをつくれる仕組みで、一人一人の個の悩みや課題に対して若者自身が解決策を考え、発信していくことを目指しています。年に1回、市長や市議会など政策決定者に直接プレゼンテーション等を行います。さらに注目すべき点は、提案で終わらず、現地視察や調査、資金調達を含め、どうすれば実現できるかを若者と一緒に継続して取り組んでいるところです。
これらを運営する上で最も重要なのは、ユースワーカーと呼ばれる専門スタッフの役割です。ユースワーカーは、こどもや若者と向き合い、関係を築き、悩みに寄り添い、チャレンジに共に伴走してくれる存在です。ユースワーカーがいなければ、どれだけ施設や事業、仕組みが整っていても、うまく機能しないと強く感じました。
本県においても、こども・若者の参画の機会をつくるために提案をいたします。一つ目は、ユース交流センターの設置を推進すること。二つ目に、(仮称)埼玉ユースカウンシルの設置、そして三つ目は、ユースワーカーの養成とその仕組みの構築です。これらの提案を踏まえ、こども・若者の参画の流れをどのようにつくっていくお考えなのか、知事に伺います。

A.大野元裕 知事

まず、「こども・若者の“参画”に向けた取組について」のお尋ねのうち、「今後の具体的取組について」でございます。
私も、どこでも知事室や大学生との意見交換会などを通じ、こどもや若者の声に耳を傾け、県政に反映するよう努めてまいりました。
昨年度は、保育士を目指す学生から「実習日誌など手書きする書類が多かったので、もっとこどもと向き合うためにICTの導入を進めてほしい」との御意見があり、県として改めてICT化の推進について好事例を発信したところであります。
また、御党の若者の集まりにもお誘いを頂き、御意見を聴かせていただいたことがございます。
他方、若者の更なる社会参画を進めるためには、議員お話しのような、若者が希望する体験ができることや、専門性を有するユースワーカーが支援し、ユースカウンシルのように自らの意見を発信する取組は重要と考えます。
県では、今年度開設したバーチャルユースセンターを活用し、御提案のユースカウンシルのような、若者が様々な体験や交流の中で自発的に自らの意見を発信できる仕組みを検討しております。
また、こどもや若者の意見を引き出すに当たっては、ユースワーカーのような若者を支援する専門スタッフの果たす役割が大きいものと考えます。
県では、若者支援団体や市町村の職員を対象とした研修を行っており、その中でユースワークに関する知識やノウハウについても取り上げてまいります。
さらに、ユースセンターの設置につきましては、市町村に対し、バーチャルユースセンターで得られたノウハウを提供するなどし、設置を後押ししてまいります。
引き続き、こどもや若者が社会参画できるような仕組みづくりや、その機運を社会全体で醸成していくことに取り組んでまいります。

上記質問・答弁は速報版です。
上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。

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