Q.西山淳次 議員(公明)
昨年11月、私は会派の同僚議員とともに、三郷市立彦郷小学校、所沢市立向陽中学校、県立所沢西高校と、特色ある読書教育を行っている県内の小中高3校を相次いで視察してまいりました。
まず、三郷市立彦郷小学校であります。さすがに三郷市は「日本一の読書のまち三郷」を掲げるだけに、目を見張るような読書教育が行われていました。学校図書館へ続く廊下には楽しげにディスプレイされた本が並び、子供たちを図書館へといざなっていました。実際、休み時間には多くの子供たちが集まり、次々に本を借りていました。バーコードを使った貸出しも図書委員の生徒自身が行います。校舎内には畳のコーナーもあって、寝そべって本を読むこともできます。また、ユニークな取組として、読書をうたった俳句「読書俳句」や、自分が読んだ本の感想を友人や家族に手紙で伝える「読書郵便」といった活動を行っていて、当日は代表の生徒たちが私たちの前で大変立派な作品発表をしてくれました。こうした取組により、同校では年間100冊以上借りる子は普通だそうであります。大変すばらしい読書教育が行われていると感銘しました。
私の母校である所沢市立向陽中学校も、朝の15分間読書をはじめ、プレミアム図書カードの発行など様々な工夫をして読書教育に頑張っていました。また、所沢西高校では、本のポップの発表会の授業を拝見しました。印象的だったのは、「このポップづくりを通して、今まで嫌いだった本を読もうという、そういう気持ちになった」と語る生徒がいたことです。
実は私は、これまでも平成17年12月定例会、平成19年6月定例会、平成24年2月定例会の本会議で3度にわたり、読書教育の推進を訴え続けてまいりました。子供たちに人生を変えるような一冊の本と出会ってほしい、すばらしい読書体験を持ってほしいと願うからであります。そして、読書を通じた人格形成を本県教育の一つの柱にしていただきたいと念願しているからであります。
そこで、教育長にお伺いします。
まず、読書に対する教育長御自身の思いをお聞かせください。
また、読書を通じた人格形成を本県教育の一つの柱にしていくことを含め、今後、本県の読書教育をどう充実させていくかについて御所見を伺います。
A.小松弥生 教育長
まず、私の読書に対する思いについてでございます。
読書は、子供たちの豊かな感性や想像力を育むとともに、多くの知識を得たり、多彩な文化を理解できるようになるなど、人格の形成に大きな役割を果たす、重要なものであると認識しております。
また、大人にとっても、様々な知識を取り入れたり、自らの人生を豊かにしたりする上で、非常に有意義なことだと思っております。
私自身も、本から勇気やアイデアをもらうことが、度々ございます。
最近は、教育や文化芸術に関する本を重点的に読んでおり、その中で仕事に役立つ本があれば、教職員をはじめ関係者に紹介しております。
次に、「読書を通じた人格形成」を本県教育の一つの柱にしていくことを含め、本県の読書教育をどう充実させていくのかについてでございます。
県では「第3期埼玉県教育振興基本計画」において、主な取組の一つとして読書活動の推進を位置付けており、子供たちが読書に親しむための環境の整備を行っております。
小・中学校においては、各学校の読書活動の参考となるよう、毎年県内から優れた取組事例を収集し、「本の広場」という県のホームページに掲載し、広く情報提供をしております。
また、各学校の読書活動を一層推進していくため、読書環境の整備などを示した国のガイドラインを市町村に周知し、活用を促しております。
高校におきましては、全校に司書を配置し、幅広い分野の本や、専門的な本に触れる機会を設けたり、朝読書や読書会を実施したりするなど、生徒の自主的・自発的な読書活動に取り組んでおります。
また、県では、生徒が新たな考え方に出合った本や人生を変えた本の魅力を伝え合うビブリオバトルを開催し、読書活動の普及を図っております。
今後とも、児童生徒が読書を通じて多様な考え方を学び、健やかに成長できるよう、学校における読書教育の充実に努めてまいります。
上記質問・答弁は速報版です。
上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。