食品ロスの削減について

Q.福永信之議員(公明)

私は昨年、安藤友貴議員とともに、ごみ削減のパイオニアである京都市を視察しました。京都市は、ピーク時の平成12年度に82万トンあったごみを平成25年度には4割以上減らし、47万トンにしました。クリーンセンターは5工場から3工場になり、年間106億円ものコストを削減しました。
京都市で頂戴した小学生向けの下敷きには3択クイズが3問掲載されています。1問目は、「日本全体で無駄に捨てられている食品は年間1人当たりお茶碗何杯分でしょうか」という質問です。答えは、90杯、180杯、365杯分の中から選びます。皆様はお分かりでしょう。正解は365杯分です。全国で年間646万トンの食品が捨てられています。その約半数は家庭からです。
京都市は、小学生のうちから食品ロスへの意識を高めようと下敷きを配布したり、紙芝居を作ったり工夫を凝らしています。また、宴会では3010運動、つまり乾杯後30分間とお開き前10分間に料理を楽しむことを呼び掛けています。ちなみに本県でも宴会終了前の15分間を食べ切りタイムとして呼び掛けていますが、残念ながら私はいろんな宴会に出ておりますけれども、食べ切りタイムの呼び掛けを耳にしたことはありません。
京都市は、飲食店だけにとどまらず、宿泊施設や食品小売店にまで食べ残しゼロ推進店舗の枠を広げ認定する制度を実施しています。さらに、市民は生ごみを減らすため、使い切り、食べ切り、水切り運動を呼び掛け、定着しています。そして、ごみ減量に最も大きな効果を及ぼしたのは、ごみ袋の有料化です。
そこで、お尋ねします。まず、ごみ袋の有料化は市町村長にとって有権者の反発を招きかねない、勇気の要る決断です。そのリスクを知事が背負う思いで有料化の推進を全市町村長に呼び掛けるお考えはありませんか、知事の御所見をお伺いします。
教育長には、食品ロス削減の教育についてどう取組を強めていくお考えか、お示しください。
環境部長には、15分の食べ切りタイムがどのぐらい浸透しているのかお示しいただくとともに、食べ残しゼロ推進店舗の認定制度を始めるお考えはないか、前向きな御答弁を期待します。
 

Q.上田清司 知事

家庭ごみの処理の有料化は住民にごみ処理費用を意識させるとともにごみを減らそうという意欲が働くため、ごみ減量化の有効な手段の一つでございます。
家庭ごみの処理は地域住民の生活に最も身近な市町村が担うべきとの趣旨から、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」で市町村の責務とされております。
ごみの有料化については市町村長が住民の意見を踏まえて自主的に判断される問題ではないかと考えております。
県としては京都市の成功事例など有用な情報を収集しその結果や課題を整理し、市町村にお示しをしていきたいと思います。
この点については市町村の自治事務ということで御理解を賜りたいと思います。
 

Q.小松弥生 教育長

食料自給率が低い日本において、食料を大量に捨てているという現実があり、議員御指摘のとおり、食品ロスの削減は重要であると捉えております。
各学校においては、食品ロスへの意識を高め、実生活で生かす態度を育てる学習に取り組んでおります。
具体的には、家庭科で調理実習の食材を無駄なく使うことや、食材を購入するときには献立や家族の人数などを考え、必要な量とすることを学んでおります。
また、社会科では、家から出るごみの量や種類を調べて、ごみの量を減らすために自分たちができることは何かを考え、食べ残しを減らすことなどを学んでおります。
県では、平成29年3月に、親子で食品ロスの削減について考えてもらうため、食育推進リーフレット「食品ロスを考えよう」というものを作成いたしまして、県内小・中学校の入学時などに保護者へ配布し、周知してまいりました。
今後は、食育を推進するための研修会の中で、管理職や栄養教諭などに対し、リーフレットの使い方や議員お話の京都市の取組を紹介するなどして、食品ロスの削減についての取組を深めてまいります。
また来年度には、県が教職員向けの教科等の指導資料を作成いたしますので、新たに食品ロスに関する内容を取り上げ、消費生活や食に関する教育の一層の充実を図ってまいります。
 

Q.加藤和男 環境部長

まず、「食べきりタイムの浸透について」でございます。
県では、食品ロス削減の取組の一つとして平成26年度から「食べきりタイム」を推奨しています。
宴会では食堂などのランチと比較して、約1.5倍の量が提供され、約8倍の食べ残しが発生しているという国の調査もあり、県として進めているものです。
「食べきりタイムがどのくらい浸透しているのか」についてですが、平成28年度の県政サポーターアンケートでは、「宴会終了直前又は終了後に、残った料理を食べきるようにしている」との回答は約3割となっております。
一方、平成30年9月に実施した県庁内の全課所を対象としたアンケートでは、約65%の課所で食べきりの呼び掛けを毎回実施しているとの回答でした。
県庁内では、ある程度普及してきておりますが、一般にはまだ十分浸透しているとは言えません。
県民の方々に食べきりタイムが浸透するよう、各界で活躍する埼玉ゆかりの方々が参加する、埼玉県人会主催の「埼玉応援団大集合」では、毎年、食べきりタイムの横断幕を掲げ、その普及に努めております。
今後も広く県民の皆様に浸透されるよう、県庁各課所に改めて依頼するとともに、あらゆる機会を捉えて「食べきりタイム」の呼び掛けを行ってまいります。
次に、「京都市の「食べ残しゼロ推進店舗」の認定制度を始める考えはないか」についてでございます。
本県におきましても、京都市と同様の制度である「彩の国エコぐるめ協力店」を平成23年度から実施しています。
この制度は、小盛りやハーフサイズの設定などにより食べ残しの削減に取り組む店舗を登録し、その取組を県のホームページで紹介するものです。
現状では京都市と異なり、飲食店の登録がほとんどで、宿泊施設や食品小売店の登録はわずかとなっています。
「エコぐるめ」という名称が食品小売店にはなじまない印象を与えているのではないかと思われます。
また、制度創設当時とは異なり、恵方巻きの大量廃棄の問題など、いわゆる食品ロスが大きな問題として取り上げられています。
議員御提案の京都市の取組なども参考にして、「彩の国エコぐるめ協力店」の見直しや、新たな認定制度の導入などを行ってまいります。
 
 
上記質問・答弁は速報版です。
上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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