手話通訳者の育成と処遇改善について

Q.橋詰昌児 議員(公明)

手話通訳者は、聴覚障害者とのコミュニケーションの橋渡しをする重要で尊い役割を担っていただいております。本日も議場での活動に感謝、御礼を申し上げます。
埼玉県では、「手話は言語である」との認識に基づき、聴覚障害者とそうでない人が手話によって心を通わせ、お互いを尊重し、共生できる社会の実現を目指して、平成28年に埼玉県手話言語条例が制定されています。そして、手話の普及や手話を使用しやすい環境の整備などに取り組んでいます。
一方で、一般社団法人全国手話通訳問題研究会の2020年度調査では、手話通訳制度の抜本的改善が必要だとして、非正規雇用の高止まり、高齢化、低い社会的評価などの課題を報告しています。特に、働き方について現状、非正規雇用が大半となっている手話通訳者の労働環境を抜本的に見直し、正規雇用を中心とする仕組みに切り換え、身分保障を確立することが必要と考えます。せっかく手話通訳者の資格を取得したが、「正規雇用の枠が少なく、どうしてもボランティア的な活動になってしまう」とのお声もいただいております。
そこで、県として手話通訳者の雇用形態の現状と正規雇用への拡大の取組について、福祉部長に伺います。
また、さきの調査では、手話通訳者の高齢化について懸念されております。先日、埼玉県聴覚障害情報センターでお話を伺いました。やはり手話通訳者の高齢化と若手の育成が大きな課題とのことでした。
本県の手話通訳者の平均年齢はどのくらいか、また、若手の育成についてどのように取り組んでおられるのか、福祉部長に伺います。

A.金子直史 福祉部長

「手話通訳者の雇用形態の現状と、正規雇用への拡大の取組」についてお答えを申し上げます。
県が手話通訳者の派遣や養成を委託している埼玉聴覚障害者情報センターでは、手話通訳者は8人配置しており、いずれも正規職員で、非正規職員はおりません。
この職員の他、登録手話通訳者として103人が登録されており、県内各地から聴覚障害者が集まる広域的なイベントでの通訳や、自前で手話通訳者を派遣できない市町村のバックアップなどを行っていただいております。
また、市町村や市町村社会福祉協議会では正規雇用38人、非正規雇用31人が配置されており、この他、登録手話通訳者として386人が登録されております。
聴覚障害者の日常生活を安定的にサポートするためには、各市町村において、手話通訳者の正規雇用を進めることも1つの方策と考えます。
今後、安定的な手話通訳者の確保のため、市町村の会議の場などを通じて各市町村に対し、正規雇用化を働きかけ、聴覚障害者が地域で安心して暮らせるよう取り組んでまいります。
次に、「手話通訳者の平均年齢」についてでございます。
埼玉聴覚障害者情報センターで活動する手話通訳者の平均年齢は、令和2年4月現在で約50歳となっております。
次に、「若手の育成についてどのように取り組んでいるのか」についてでございます。
若い手話通訳者を増やしていくためには、より多くの方に手話に対する普及啓発を行い、すそ野を広げていくことが重要と考えております。
そこで、県では、県内の小学校や公民館などで手話普及リレーキャンペーンを実施し、小学生や地域住民に手話の普及啓発を図る取組を行ってまいりました。
また、手話通訳者は高度な技能が要求されることから、経験の浅い若い方を支援するため、本格的な養成講座の受講前にスモールステップで基本技能が習得できる講座を実施しております。
さらに、登録試験の最終合格に至らない方を准通訳者として活動していただく制度も導入しております。
今後は、県内の大学手話サークルなどと連携して手話への理解を深めるイベントを開催するなど、多くの若者が手話に興味を持ち、手話通訳者を目指していただけるよう取り組んでまいります。

上記質問・答弁は速報版です。
上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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