医療的ケア児と、その家族への支援について

Q.石渡豊 議員(公明)

医療的ケア児を御説明いたします。日生活及び社会生活を営むために恒常的に医療的ケアを受けることが不可欠である児童とされ、その医療的ケアといいますのは、人工呼吸器による呼吸管理、喀痰吸引、導尿などといった医療行為を指します。
8月24日、医療的ケア児の親御さんからお話を伺う機会をいただきました。
Aさんからは、NICUから我が子と一緒に自宅に帰りました。そのときから添い寝をして休んでいても、我が子がちょっと動くだけで起きざるを得ません。何をどうしたらよいのか、全く分からない日々でした。たった一人で孤独でした。
Bさんからは、どこに相談したらよいのか分かりません。私たちの相談を聞いてくれるところ、協力してくれるところをお聞きしましたが、市役所でも教えてはくれませんでした。
Cさんからは、保育所に入所の相談に伺いました。保育所からは、「看護師さんはいませんので、お母さんが付き添ってください」と言われました。私は看護師ですが、仕事の復帰は断念いたしました。
私はお話を伺いながら、うなずくのが精一杯でした。
国は平成28年に児童福祉法を改正しましたが、現場の窮状はさほど良くはなりませんでした。そうした中、本年6月、超党派の国会議員でつくり上げた新法、医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律が成立しました。
新法には、医療的ケア児の日常生活、社会生活を社会全体で支援することが明記され、国と地方公共団体、保育所や学校の設置者に責務が課されました。例えば、学校や幼稚園、保育所の設置者に対しては、保護者の付添いがなくとも、たんの吸引などのケアができる看護師や保育士の配置をすること、都道府県には家族からの相談に応じるための支援センターの設置をすることなどです。
9月14日、私たち公明党県議団は、埼玉県立小児医療センターに伺い、日本小児科学会の会長でもあり病院長の岡明先生と、社会福祉士、精神保健福祉士の篠崎咲子先生、お二人から様々教えていただきました。心から感謝を申し上げます。
さて、医療的ケア児とその家族ですが、その実態が全く把握されておりません。私は唖然としました。国の資料を見ても、19歳以下、在宅の医療的ケア児は、全国で推計が約2万人を超えると示されているだけです。もとよりですが、本県でも分かっておりません。これでは全く手の打ちようがありません。
それでは、お伺いします。
1点目は、医療的ケア児はどこに住み、何人いるのか。本県は市町村と共になって実態調査をすべきと考えます。いかがでしょうか。
2点目は、医療的ケア児の支援は、市町村もしくは幾つかの自治体による圏域が担うと考えます。担う支援には2つの整備が求められます。1つ、医療的ケア児等のコーディネーターの配置、2つ、福祉と医療と教育などの協議の場の設置。支援の地域間格差をなくすためにも、本県は本腰を入れて市町村と力を合わせ取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか。
3点目は、本県に設置できるとされる医療的ケア児支援センターについてです。センターは市町村と連携し、家族からの相談に対する情報を提供することになります。支援の情報が届かなかった御家族には、相談先がこれで明確になります。医療的ケア児支援センターの設置を本県はどのように進めてまいりますか。時期や予算的措置への考え方も含めてお答えください。
以上、知事にお伺いします。御所見をお聞かせください。

A.大野元裕 知事

市町村と共に医療的ケア児の実態調査を実施すべきについてでございます。
本県の医療的ケア児の人数は、市町村に照会をしたところ、令和3年4月1日時点で715人となっていますが、医療的ケア児の中にはNICUから退院しておらず、まだ市町村と関わりを持っておられない方もおり、市町村が把握をしていないケースもあり得ます。
医療的ケア児及びその家族の方に適切な支援を行うためには、正確な人数や支援ニーズ等を御指摘のとおり、しっかり把握する必要がございます。
そこで、市町村はもとより、医療機関、保健所、特別支援学校、医療的ケア児の家族会など関係機関に御協力をいただき、実態調査に着手したいと考えております。
次に、医療的ケア児を支援する体制整備に市町村と力を合わせ取り組むべきについてでございます。
議員お話しのとおり、支援体制の整備に当たっては、医療的ケア児等コーディネーターの配置や関係機関との協議の場が不可欠となります。
そのため、県では医療的ケア児等コーディネーター養成研修を平成29年度から実施をし、これまでに115人を養成しております。
また、関係機関の協議の場が未設置の市町村には、相談支援や地域の社会資源の活用に詳しい方をアドバイザーとして派遣をし、設置の促進を図っているところであります。
どの市町村にお住まいの方でも適切な支援が受けられるよう、市町村と連携し体制整備に取り組んでまいります。
最後に、医療的ケア児支援センターの設置をどのように進めていくのかについてでございます。
センターでは、医療的ケア児に関する相談に応じたり、医療的ケアに従事する方への研修や情報提供、関係機関との連絡調整など幅広い役割が求められています。
こうした役割をしっかりと果たし、関係者から頼りにされる存在となるためには、一定の準備や調整が必要となります。
そこで、保健、医療、障害福祉、保育、教育、労働、医療的ケア児の家族会などの方々を構成員とする検討会議を設け、様々な御意見を伺う必要があると考えております。
また、実態調査により、医療的ケア児の人数や家族の状況、医療的ケアの内容、日常生活で困っていること、必要としているニーズなどを詳細に把握する必要もございます。
こうした対応を早期に実施し、医療的ケア児とその家族の生活を社会全体で支えていくことができるよう、医療的ケア児支援センターの設置に取り組みたいと思います。

上記質問・答弁は速報版です。
上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。

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