食品廃棄物の削減と循環利用の推進について

Q.蒲生徳明 議員(公明)

昨日、民主フォーラムの田並代表も触れておられましたが、国連の専門機関、世界気象機関は、昨年夏の世界の平均気温が観測上最高であったことを発表し、グテーレス国連事務総長は今や地球温暖化を超え、地球沸騰化の時代が到来していると述べています。
ある識者は、地球温暖化の原因となる温室効果ガスの大量増加について、深刻な要因の一つに食品ロスがあり、このことが沸騰化をもたらしていると述べています。いわゆる水分を多く含む食品廃棄物を燃やすには、紙などのごみより大量の燃料を必要とし、その結果、二酸化炭素が大量に排出されるというのです。
公明党は、食品ロス削減推進法制定の先導など国においても食品ロスの削減に注目してきました。
国の発表では、まだ食べられるのに捨てられる食品ロスは、日本全体で年間520万トン発生し、食品加工の際に出る端材等も加えると、年間約2,400万トンもの廃棄物が発生しています。世界190人の科学者・専門家から成るプロジェクト・ドローダウンは、地球温暖化を逆転させる100通りの方法を検証し、温室効果ガス削減の有効性をランク付けして、食品ロスの削減を代替フロン、風力発電に次ぐ第3位に挙げています。
食品廃棄物の発生は、資源を無駄にするだけでなく、その処理にもエネルギーを要し、隠れた地球温暖化の要因であると言われます。正に食品ロスも含めた食品廃棄物全体の削減と循環利用は重要な課題であり、本県のサーキュラーエコノミー推進に向けた取組とも方向性が合致します。
そこで、食品廃棄物の削減とともに循環利用を積極的に推進していくべきと考えますが、知事の御所見を伺います。

A.大野元裕 知事

議員お話しのとおり、地球温暖化を防止するためには、食品廃棄物の削減と循環利用を推進していくことが大変重要と考えています。
そこで、食品廃棄物の発生抑制については、例えば、家庭で調理する際は食材を無駄なく使う、宴会の時には食事を味わう時間帯を設けるといった「食べきりSaiTaMa大作戦」など、食に関するスタイル改善の普及に努めております。
また、フードドライブに多くの県民が参加しやすい環境とするため、毎年10月からの2か月間を「県下一斉フードドライブキャンペーン」とし、多くの企業や団体に協力を呼び掛け、全県への展開を図っております。
その結果、開始した令和3年度は237か所であった食品の受付窓口が、令和5年度には763か所と3倍以上に増加し、廃棄物の発生抑制の取組が県民の皆様に浸透してきております。
他方、こうした対策を講じても発生してしまう食品廃棄物については、資源として有効に活用する、いわゆるサーキュラーエコノミーの視点で取り組むことが不可欠であります。
令和5年度に、サーキュラーエコノミー型ビジネス創出に関する補助制度を創設したところ、規格外野菜を栄養価のあるパウダーに加工し、地元の学校給食センターに販売するというビジネスモデルが構築され、様々なメディアで紹介され、注目を浴びています。
また、製造過程で発生した規格外の米麹と規格外のさつまいもを掛け合わせ、芋みつとして商品化に至った事例もございます。
令和6年度には、製造過程で廃棄される食品を活用した新製品開発等にチャレンジする企業に対し設備等の導入を支援し、「食のサーキュラーエコノミー」のリーディングモデルを構築してまいります。
さらに、県環境整備センター埋立処分場跡地の一部を、食品の循環利用などサーキュラーエコノミーを体験いただける農場として整備したいと考えております。
生ごみなどの食品廃棄物を、彩の国資源循環工場等で肥料に加工し、農場での野菜育成に利用するなど、工場内の先端的な資源循環技術の活用を図ってまいります。
県民の皆様に食品を無駄にしない意識の醸成を図るとともに、サーキュラーエコノミーの視点を取り入れたビジネスモデルを広げることにより、食品廃棄物の削減と循環利用を推進してまいります。

上記質問・答弁は速報版です。
上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。

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