高校中途退学者への学習支援について

Q.塩野正行 議員(公明)

高校中退者は、県教育局の様々な取組により減少しておりますが、令和2年度には971人が高校を中途退学しています。
中途退学後の進路はどうなっているか、県教育局が令和2年度に行った調査では、高校中退者のうち就職した人は9.3%、10人に1人にとどまっていました。アルバイト、フリーターが最も多く40.7%、無職と答えた人が18.6%などとなっております。また、同調査からは、中学時代不登校傾向のある生徒が中退した場合、アルバイト、フリーターや無業者になる割合が高い傾向が見られました。
不登校対策を含め、より一層の支援が必要ですが、それとともに実態として高校中退者が数多くいることに支援の目を向ける必要もあると考えます。若者の社会的自立に就職は不可欠でありますが、就職するためには高卒資格のあるなしが大きな足かせになっていると思えてなりません。
具体的な支援策として、高校中退者が高卒の資格を得るための高等学校卒業程度認定試験、いわゆる高卒認定試験の合格に向けた学習支援を実施すべきであります。文部科学省が行っている高校中退者などの高卒認定試験の合格や就職を支援する地域における学びを通じたステップアップ支援促進事業を活用して、札幌市や高知県などが学習支援を実施しており、高卒認定試験の合格者で既に実績を上げております。
2月14日、私ども公明党県議団4名で川口市にある、かわぐち若者サポートステーションを視察させていただきました。コミュニケーションが苦手な若者、生きづらさを感じている若者、心の悩みを感じている方などの就職を支援しています。相談から就職まで利用者一人ひとりに一人の担当者を決め、信頼関係を築くところから始め、就職するまできめ細かく寄り添って支援していることを知り、すばらしい取組だと感じました。キャリア相談やセミナー、仕事体験のほか、スポーツを通じた交流なども図っております。こうした場所で高校中退者の学習支援に取り組むことができるのではないか、そう強く感じました。
県教育局は、既に地域若者サポートステーションから人を派遣してもらい、高校中退を予防するための取組を行っているなど連携しています。それを一歩進めて、高校を中退してしまった人の次なる支援として、地域若者サポートステーションにおいて学習支援を行い、就職支援につなげていく取組を実施していただきたい。県内5か所ある地域若者サポートステーションにおける高校中退者への学習支援について、教育長の御所見を伺います。

A.高田直芳 教育長

これまで県では、高校生の中途退学を防止するため、地域若者サポートステーションと連携し、生徒を社会体験活動に参加させるなど社会性を高める取組を行ってまいりました。
また、在学中から地域若者サポートステーションと学校や生徒との関係性を築くことで、万が一生徒が中途退学に至った場合でも、生徒が相談するきっかけづくりにもなっております。
議員御指摘のとおり、高知県や札幌市では、国の補助事業を活用し、地域若者サポートステーションにおいて、中途退学者などを対象とした学習相談の窓口を設置するとともに、高卒認定資格の取得を目指した少人数の講座を実施しております。
中途退学者に対する学習支援を行うことは、中途退学者の社会的自立を支援する上で効果的な取組であると考えます。
そこで今後、先進事例を調査するとともに、利用者のニーズなどについても把握し、地域若者サポートステーションと連携した事業の実施も含め、高校中途退学者への学習支援の在り方について検討してまいります。

上記質問・答弁は速報版です。
上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。

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