県民にとって利便性の高い行政サービスの提供について – 電子申請・届出サービスの現状と課題について

Q.橋詰昌児議員(公明)

埼玉県ICT推進アクションプランにおいて、方向性のトップにスマートフォンの普及に併せ、身近になったICT環境を利用した県民にとっての利便性の高い行政サービスの提供をすることを掲げています。その一つとして、申請を電子化し、手続のワンストップ化に向けていく流れが、かれこれ国の提唱から20年近くたとうとしています。このような時間の経過の中で、いまだ窓口で、電話でといった旧態依然の方法でしか申請、届け出ができていないのも、まだ多くあると感じます。県民にとっての利便性の高い行政サービスを提供するというものには当然申請、届け出の電子化もここには含まれ、これまで長年続けてきた県と市町村の共同利用による電子申請サービスの利用も一定の効果を上げているものの、十分とは言えないのではないでしょうか。
さらに言えば、効率的で効果的な行政運営という点でも、県が主導的に立ち振る舞い、市町村との共同によるICT施策を実現に向けていくというのは、これは県が持つべき使命であり役割であると考えます。
そこで、市町村との共同で利用している電子申請・届出サービスについて、県の活用、県民の利用状況及び同様に市町村の状況はどのようになっていますでしょうか。また、利用に関する目標の設定と、それに向けての実践についてはどのような検討組織を設置し、協議を推進されていますでしょうか。さらには、利用が進まない団体への県及び検討組織の具体的なアプローチはどのように行っていますでしょうか。是非、窓口に来なくても手続ができる仕組みを推進していただきたいと考えます。
更に進んだ仕組みの導入として、窓口に来なければできない手続というのはどうしても残ってしまうものです。しかしながら、待たされるのが当たり前という状況を解消するための取組について、手続予約という考え方があります。個人や事業者が効率よく手続できるよう、手続時間の予約をシステム上で行い、それに係る時間を効率よく無駄な待ち時間をつくらず手続できるようになります。民間では当たり前のように導入されている予約システムの仕組みでありますが、行政ではまだ実際導入している例は少ないものと考えます。是非、埼玉県においても早期にこのような仕組みを導入すべきと考えますが、いかがでしょうか。
また、こうした仕組みは、より県民に近い窓口業務の多い市町村のほうがより有益であると考えます。県が導入することで市町村にも展開できるメリットがあると考えますが、いかがでしょうか。今や、事業部門からの要望を実現していけばいい時代ではありません。県民サービスの向上、職員の働き方に改革をもたらせるには、情報管理部門の広い情報収集と積極的な情報提供、庁内ニーズの把握が不可欠だと考えます。このような観点も含め、企画財政部長の答弁を求めます。
 

A.石川英寛 企画財政部長

まず、電子申請・届出サービスの県及び市町村の活用状況、県民の利用状況についてでございます。
議員お話の電子申請・届出サービスは、県民が自宅等のパソコンやスマートフォンからインターネットを利用して、24時間、申請や届出など行政への手続ができるものです。
平成15年度に県単独でこの仕組みを構築した後、平成17年度から市町村との共同利用が始まり、現在は県と59市町村が利用しております。
県では、自動車税の住所変更届や東京2020オリンピック・パラリンピックの都市ボランティア応募など500を超える手続に活用しております。
また、市町村では水道の利用開始届出や粗大ごみの収集依頼など、3,000程度の手続で活用されています。
平成30年度には県と市町村合計で約33万5,000件、県民の方に御利用いただいており、全国でもトップレベルの状況となっております。
次に、利用に関する目標の設定と目標に向けての実践について、どのような検討組織を設置し、協議・推進しているかについてでございます。
県では、県内自治体における電子自治体の構築に向け、平成16年度に県と全市町村で構成する埼玉県電子自治体推進会議を設置しました。
この会議に電子申請の利用拡大等を協議するための専門部会を設け、利用に関する目標を市町村に示すとともに、その実現に向けた取組について協議を行っています。
具体的には、各市町村からの要望を取りまとめ、県民の皆様が使いやすくなるよう入力画面の見え方を変えるなど、着実に機能を改善することで、利用促進に向けた取組を進めています。
次に、利用が進まない団体への具体的なアプローチをどのように行っているかについてでございます。
利用が進まない団体からは、職員が複数業務を兼任しており情報システムに対する理解が深まらない、業務が多忙な中利用に向けた検討が進められないなどの声を聞いています。
そのため、県では、情報システムの操作方法等の研修を実施するほか、積極的に利活用している団体の事例や情報システムを使用することのメリットについて情報提供するなど、支援を丁寧に行っております。
次に、県における予約システムの早期導入についてでございます。
議員御提案の予約システムは、県民や事業者などが申請手続の来庁時間を事前に予約し、実際の来庁時に待ち時間なく効率的に手続を行うものです。
このシステムは窓口業務が混雑するような場合に効果を発揮いたします。
県においては、そうした業務が限定的と考えておるところでございますが、個々の業務の特質や混雑の状況、費用対効果などを踏まえて予約システムの導入を検討してまいります。
次に、県が予約システムを導入することで、市町村に展開できるメリットについてでございます。
先ほど御説明した予約システムを導入して経費削減や業務の効率化などのメリットを得られるかについては、共同利用する市町村の数や手続件数などの条件によるものと考えられます。
今後、市町村の予約システムについてのニーズなどを把握し、その状況を踏まえ、研究してまいります。
 
 
上記質問・答弁は速報版です。
上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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