5 物価高騰対策と賃金引上げについて(知事)

Q.西山淳次 議員(公明)

公明党は、目下の経済政策としては、物価高騰対策と賃金の引上げが最重要と考えております。ウクライナ情勢や極端な円安の進行が、近年にないエネルギーや諸物価の高騰を招き、県民生活を直撃しています。あれも高くなった、これも上がった、電気代の請求書を見てびっくりというのが、私たち庶民の偽らざる実感です。
こうした中、公明党議員団は、国の交付金などを積極的に活用し、県は、できる限りの物価対策を迅速に実施すべきと、昨年の5月、8月、10月と3回にわたって大野知事に要望をしてまいりました。
私どもの要望も受け、6月、9月、12月の各定例県議会に、物価高騰対策を盛り込んだ補正予算が提出、可決され、順次、関係者に支援が届けられております。その中には、我が党が具体的に提案していた学校給食食材費の値上がり分に対する補助をはじめ、子ども食堂への支援、トラック運送事業者への燃料費高騰分の支援金、医療機関や福祉施設に対する光熱費補助、観光事業者や施設園芸農家への支援、そして中小企業の再生可能エネルギー導入に対する補助金など、多くの内容が盛り込まれました。
全体では、4本の補正予算合計で実に175億円余の物価対策が実施されたことになります。こうした支援策に、関係者からは「本当に助かる」との感謝の言葉が寄せられています。これまでの知事はじめ執行部の迅速な対応に感謝いたします。
さて、足元の経済情勢に照らせば、いましばらくは物価高騰が続くことは必定であります。政府・与党も懸命に対策を打っていますが、本県においても、県民事業者を守るために引き続きの努力が必要です。
そこで、知事に伺います。本県のこれまでの対策を踏まえた上で、国の最新の動向等に呼応し、今後も物価対策を機動的に実施していくことが重要と考えますが、御所見を伺います。
次に、賃金の引上げです。
大手企業が今春の大幅な賃金引上げを決断したとのニュースが相次ぎ、少々明るさが見えてきた一方で、中小企業においては、なかなか賃金引上げが難しいのではと言われております。本県は、中小企業が事業所数で99%、従業員数で76%を占めます。中小企業の賃上げは、大変重要な課題です。燃料や原材料費が高騰しても、値上がり分の価格転嫁が困難との声もよく聞かれます。
そこで、知事に伺います。中小企業の賃上げについて、県として今後どのように取り組んでいくのか、これまでの取組も含めてお答えください。

A.大野元裕 知事

今後の物価対策についてであります。
私は、エネルギー価格・物価高騰に対するアプローチは、激変緩和などの短期的な対策と県民や企業の生活様式・経営体質の転換を促す中長期的な対策がそれぞれ必要であると考えています。
これらの対策を講じるため、これまで本県では、経済団体をはじめ各種団体等から丁寧に実情を伺いながら、国から措置された臨時交付金を活用し、4度にわたり約175億円の補正予算を措置しました。
令和5年度予算においても、県民や企業の生活様式・経営体質の転換を更に促す観点から、家庭や企業への省エネ・再エネ設備の導入や企業のグリーン分野進出への支援などエネルギー価格・物価高騰対策を推進してまいります。
なお、エネルギー価格・物価高騰対策は、多額の費用を要するため、引き続き、国による地方への十分な財源措置が必要であると考えます。
今後も、国に対し必要な財源措置を求めつつ、県民や県内事業者の声を聴きながら、短期的な対策と中長期的な対策の両面から機動的に対応してまいりたいと考えます。
次に、中小企業の賃金引上げに関する県の取組についてでございます。
私は、物価上昇に負けない持続的な賃上げを実現するためには、価格転嫁を促進するとともに、企業の稼げる力の向上とそれを支える人材の育成・確保を進めることが重要と考えます。
まず、価格転嫁については、「強い経済の構築に向けた埼玉県戦略会議」において、昨年4月に価格転嫁の円滑化部会を新たに設けるなど、議論を進めてまいりました。
これを踏まえ、9月には戦略会議の構成員である産官金労の12者により「価格転嫁の円滑化に関する協定」を締結をいたしました。
オール埼玉でサプライチェーン全体での共存共栄を図るとともに、付加価値向上による賃上げを目指しており、中小企業でも適切に価格転嫁ができるよう気運を醸成するキャンペーンを実施しております。
この協定につきましては、全国初の取組として国や日本商工会議所などから高く評価をされており、既に北海道、長野県、大分県で類似の協定や覚書が締結されるなど、埼玉モデルとして全国展開を進められているところであります。
また、国のパートナーシップ構築宣言の登録を県内企業約1万7,000社に文書で依頼するとともに、中小企業診断士を派遣するなど電話や訪問による個別の働き掛けも実施しております。
さらに、価格交渉を行う際には、原材料の価格推移を客観的に示す資料が必要だとの戦略会議の御意見を踏まえ、パソコン上で価格の推移を簡易に表示できるツールを開発し、提供を開始いたしました。
加えて、企業の稼げる力の向上と人材の育成・確保についても、中長期的な観点から取り組んでまいります。
県内中小企業に対し、DXの推進をはじめ、生産性向上を図る事業の再構築などを支援するとともに、デジタル人材など企業の稼ぐ力を支える人材育成に取り組んでまいります。
今後も引き続き、戦略会議を中心にオール埼玉で効果的な施策を推進し、県内企業の賃上げにつながっていくよう全力で取り組んでまいります。

※上記質問・答弁は速報版です。
※上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
※氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。

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