Q.権守幸男 議員(公明)
今月6月2日未明から3日朝方にかけて、台風第2号と梅雨前線の影響による記録的な豪雨で、県東部を中心に床上浸水768件、床下浸水3154件に上る住家被害や道路冠水が相次ぎました。改めて、心からお見舞いを申し上げます。
大野知事は、まだ県内の被害状況の全容が把握できていない中でも、越谷市と草加市、松伏町の2市1町に災害救助法を適用することを決定いたしました。空振りをおそれない判断に敬意を表します。
私は、災害対応には迅速に被害状況を把握することが大切であると考えます。被害情報の収集については、県では平成28年から災害オペレーション支援システムを活用し、災害時に市町村や警察、消防など関係機関から被害情報の収集と共有を行い、県災害対策本部がこれらの情報を基に対策の意思決定をし、メディアやSNSに情報を配信しています。このため、県は、市町村に対し人的・住家被害状況の全容をいち早く把握し、後で正確な実数に修正することを前提に、未確認の概数値でもよいので被害情報を支援システムにできるだけ早く入力してほしいと依頼しています。
とはいえ、ある自治体では、概数値で情報を報告してしまうと、被害情報の数字がひとり歩きすることを嫌い、罹災証明書発行を根拠とした正確な被害状況の数字を支援システムに入力したい。未確認の概数値を報告することにちゅうちょしていますと聞いています。
一刻も早く正しい判断が求められる中、県への被害報告をちゅうちょする自治体があるということも踏まえ、被害状況把握のスピードと正確性のバランスをどうとるのかが重要と考えますが、危機管理防災部長の見解を伺います。
また、市町村はひとたび災害が発生すると、被害状況の把握、地域住民から問合せ対応、罹災証明書の発行等の様々な災害対応に追われることとなります。災害時の市町村の負担軽減のため、県として人的支援も含めた市町村への支援を行うべきと考えますが、危機管理防災部長の見解を伺います。
A.犬飼典久 危機管理防災部長
まず、「被害状況把握の正確性とスピードをどうバランスを取るのかについて」でございます。
災害対策基本法第53条では市町村は、災害が発生したときは、速やかに災害の状況等を都道府県に報告しなければならないとされております。
これは、県が市町村の災害状況を把握することで、自衛隊への災害派遣要請や消防・警察の広域応援要請、被害拡大のおそれのある段階での災害救助法の適用など、いわば時間との闘いとなるような場面において、被害の大きさを想像し、適切な手段を迅速に講じる必要があるためです。
災害発生時においては、たとえ概数での報告であっても、その後の災害対応に重要な判断要素となることから、できる限り、スピードを重視すべきであると考えております。
市町村が避難所運営等で多忙な中、確度の低い被害の報告をためらうことは認識しておりますが、災害時における迅速な被害情報の報告の重要性について、市町村に一層のご理解をいただく必要があります。
県といたしても、今回の事例も活用しながら、市町村防災担当主管課長会議や図上訓練等の場を通じてしっかりと周知をしてまいります。
次に、「県として、人的支援も含めた市町村への支援を行うべきについて」でございます。
市町村は災害対応の初動期から応急・復旧期にかけて、避難所運営や災害廃棄物の処理など様々な業務に追われることになります。
こうした状況により、市町村の災害対応が遅れることを防ぐため、県から市町村へリエゾンを派遣して、被害状況や支援ニーズの把握を行うことが重要であると考えます。
実際に、今回の被害では、災害が発生した翌日から、災害救助法を適用した2市1町へのリエゾン派遣や、避難指示を発令した6市への被害状況の把握等を行いました。
なお、災害対応が長期に渡り、継続的に人的支援が必要な場合には、県と市町村の職員で構成する「彩の国災害派遣チーム」を派遣し、避難所運営や罹災証明書発行業務の支援などを行う制度もございます。
今後とも、災害発生時には、市町村の意向を丁寧に確認しながら、早期に支援ができるよう努めてまいります。
上記質問・答弁は速報版です。
上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。