Q.萩原一寿 議員(公明)
福祉タクシー券は、障害者の社会参加を促す目的で、市町村が実施主体となり利用料金の一部を助成するものです。
私は、令和3年2月と令和4年9月の定例会一般質問でこのことについて取り上げました。もともと福祉タクシー券の利用率が県内平均で50パーセントにも満たない状況が続き、制度と県民ニーズに大きなギャップがあるのではないかと感じたからです。
私が議会質問で取り上げた後、昨年4月、それまでの福祉タクシー券の初乗り分の利用が1枚分から2枚までになりました。令和5年度の県内平均の利用率は前年度より6パーセント上昇し、39パーセントとなっています。
その一方で、この制度が余り知られていないのではと思うことがあります。例えば、料金を支払う際にタクシー券を2枚出したが、乗務員に1枚しか使えないと言われたとか、逆に利用者がタクシー券を1枚しか出さなかったので、乗務員が2枚使えますよと呼び掛けたとの声が県民から寄せられているのです。
福祉タクシー券の利用について自治体やタクシー事業者、障害者団体などへ、更なる周知を図るべきと考えますが、福祉部長の御見解を伺います。
さらに、現行の制度でタクシー券2枚までの助成からもっと多く利用できるようにしてほしいとの声も頂いています。
また、東京都の福祉タクシー券は100円券と500円券での使用となっています。あわせて、利用者の更なる利便性向上を図るために、現行2枚までとなっているタクシー券の利用枚数の拡大と前述の仕様の変更について、福祉部長の御見解をお聞きします。
A.細野正 福祉部長
まず、1回あたりの利用枚数を2枚に増やしたことについて、自治体やタクシー事業者、障害者団体などに対して、更なる周知を図るべきについてでございます。
議員お話しのとおり、令和5年度から、1回の乗車に使えるタクシー券の枚数を1枚から2枚までに増やし、利便性の向上を図ったところです。
この変更については、市町村やタクシー事業者で構成される福祉タクシー運営協議会を通じて、利用者や事業者に周知を図りましたが、十分に行き渡っていないとの御指摘をいただきました。
そこで、タクシー券そのものに2枚まで利用できることを、一目で分かるよう強調して表記するとともに、実施主体である市町村に対しタクシー券交付時に利用案内を添えて丁寧に説明するよう働きかけてまいります。
また、タクシー事業者に対しては、朝礼や研修などの機会に乗務員に直接お伝えいただくなど周知が行き渡るよう、福祉タクシー運営協議会を通じてお願いしてまいります。
次に、利便性向上を図るため、現行2枚までのタクシー券の利用から、更なる拡充と100円券の導入などの仕様の変更についてでございます。
1回あたりの利用枚数を2枚までに変更した令和5年度のタクシー券の利用率は38.6パーセントとなり、前年度から5.3ポイント上昇しました。利用者から「利用しやすくなった」など好意的な意見が寄せられていますが、利用率は十分とは言えない状況にあります。
この事業は障害者の外出機会や社会参加の促進を目的としており、何よりも大切なことは利用率が上がる制度とすることです。
障害当事者の声を丁寧にお聴きするとともに、実施主体である市町村やタクシー事業者、埼玉県で構成される協議会の場で、より利用しやすい制度とするにはどうしたら良いか、改めて検討を進めてまいります。
上記質問・答弁は速報版です。
上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。