8050問題について

Q.橋詰昌児議員(公明)

御案内のとおり、8050問題は80代の親が50代の子供の生活を支えるという問題です。背景にあるのは子供のひきこもりで、「ひきこもり」という言葉が社会に出始めるようになった1980年代から90年代は若者の問題とされていましたが、約30年がたち、当時の若者が40代から50代、その親が70代から80代となり、長期高齢化をし、こうした親子が社会的に孤立をし、生活が立ち行かなくなる深刻な問題です。最近では、9060問題へと進みつつあるとも言われております。
内閣府の調査結果では、40歳から64歳までの広義のひきこもり状態にある者は61万3,000人を超え、埼玉県でも3万7,000人と言われており、大きな社会問題となっております。この問題については、埼玉県議会でも6月に意見書を提出しておりますし、多くの議員さんも取り上げております。私の元へも高齢の親御さんより、将来が非常に不安であるといった声もいただいております。ひきこもりの長期化、高齢化という深刻な現実を直視し、一刻も早く本人や家族に希望を届ける仕組みを構築する必要があります。
大野知事は、就任挨拶において埼玉版SDGsの実現に触れ、誰一人取り残さないとの強い意思で、知事として県民の誰一人も、どの地域も取り残すことのない社会をつくり、日本一暮らしやすい埼玉県の実現を掲げておられます。非常に共感するところでもございますし、そのような強い思いを、知事のこの8050問題について御見解をお伺いいたします。
先日、ひきこもり家族の会の方からお話を伺いました。年間300件を超える相談や訪問支援、施設への同行訪問など、大変な御苦労をされておられます。その際、ひきこもり対策のキーマンは家族であり、一緒に暮らす親の対応いかんで回復が左右されることから、家族への支援が重要であると伺いました。
当問題については、これまで政府のひきこもりへの取組として、ガイドラインの策定、地域支援センターの全国への設置、生活困窮者自立支援制度への位置付けなど、少しずつ進んではおりますが、まだまだ十分ではないと考えます。埼玉県におきましても、ひきこもり相談サポートセンターを設置し、専門知識を有する職員が相談内容に応じて親や当事者が集まる集いの場についての情報提供、保健所や医療機関への紹介など助言を行ったり、ひきこもり当事者への訪問対応に精通している別のNPO法人に家庭への訪問業務を委託し、訪問相談も行っていただいております。
しかしながら、ひきこもり当事者、家族を地域で支える縦割りを超えた包括的な支援づくりが必要であり、行政側から必要な支援を届けるという発想に立たないと、社会的孤立は更に悪化する可能性が高くなることから、更なるアウトリーチ、訪問支援が重要と考えます。
ひきこもり支援の人材養成の裾野を広げる意味から、ひきこもりサポーター制度等の導入は有益であると考えます。兵庫県伊丹市では、4月から電話をかけたり自宅を訪問するなど、積極的に関わるアウトリーチ訪問型支援員制度を導入しています。
アウトリーチ支援員は家族の協力を得て自宅を訪問し、ひきこもりの本人と話ができる関係を築こうと、ドア越しでの会話を続けておられます。精神的にへこむこともあるが、粘り強く手紙を書いたり、その人の興味や関心に合った支援メニューのチラシを作って持っていかれたり、健康状況が心配な場合には医師や精神保健福祉士とともに訪れるなど、一歩前進の工夫を重ねておられます。御家族から、気にしてくれることが非常にうれしいとの声をいただくと励みになる、すぐにひきこもりが改善するような魔法の言葉はないが、少しでも役に立てればと継続され、就労支援につながった人や医療的ケアにつながった人も出てくるなど、効果が上がっているそうであります。
ひきこもり当事者や家族からの多様な相談、例えば不動産やお金に関して、当事者の親が先に亡くなったケースで起こり得る心配事への対応について、弁護士、司法書士、税理士などの専門家が相談に応じるなど、きめ細かく対応するための訪問支援の強化について知事の考えを伺います。
 

A.大野元裕 知事

今後、人口減少・少子高齢化が更に進展し、2040年には単身世帯が約4割に達し、現在40歳代の就職氷河期世代も高齢者の域に達します。
こうした中で、地縁、血縁による助け合い機能が低下し、障害者や高齢者の支援のように従来の縦割りの仕組みだけでは複合化、複雑化した生活課題への対応が困難になっております。
8050問題は、こうした急激な少子高齢化の進行と地域や家庭の機能の低下が相まって引き起こされる最も深刻な課題の一つであると認識しており、橋詰議員の課題・問題意識に対し、共有をするところでございます。
8050問題の背景にあるひきこもりについては、現在、県が設置している「ひきこもり相談サポートセンター」や市町村の生活困窮者自立支援窓口などで、相談支援を行っています。
また、ひきこもりの方に手を差し伸べるには、伊丹市のような行政側からの訪問支援も重要であり、こうした市町村の取組を広げていくことが必要です。
さらには、今後ますます高齢化が進み、独り住まいを余儀なくされるひきこもりの方が増えることも予想されます。
このため、ひきこもりの方への対応については、従来の行政の取組にとどまらず、地域のコミュニティを復権させていくことも必要だと考えます。
例えば、県では子ども食堂や認知症カフェなどの取組を進めており、地域のシニアや学生が主体的に参加することが、地域住民同士の見守りや地域の絆の再生につながっています。
行政による訪問支援とともに、地域の絆再生支援も重要と考えております。
SDGsの理念により、こうした取組を広げ、誰もが孤立することなく、共に暮らすことができる社会の実現を目指してまいります。
 
 
上記質問・答弁は速報版です。
上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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