子ども医療費無料化の拡充について

Q.萩原一寿 議員(公明)

子ども医療費の無料化は、子どもの命と健康を守るため、市町村主体の子育て支援の柱となる重要な事業であり、対象の拡大が全国的に広がっています。
本県では、昭和48年7月に乳幼児医療費助成制度としてゼロ歳児の通院分・入院分を自治体に財政支援を行う制度としてスタートして以降、4回にわたり対象が拡大されました。そして、来月から現物給付の制度が導入されます。その上で御意見をいただいているのが、自治体によって受けられる助成に差があるということです。
県内63市町村の子ども医療費の助成について説明しますと、通院については中学校3年生までの助成が36自治体、高校3年生までが27となっています。入院については中学校3年生までが30自治体、高校3年生までが33です。私の地元川口市では、通院・入院共に中学校3年生までの対象になっており、今年度予算で約20億円を計上しています。川口市のように人口の多い自治体ほど、無料化の対象が中学校3年生までになっています。
各自治体は苦しい財政事情の中、子ども医療費の財源を捻出しています。子どもたちの命を守り、子育て世帯の生活を守るために、県の更なる財政支援が必要ではないでしょうか。
県から市町村への補助については、通院・入院共に対象年齢がゼロ歳児から小学校就学前までです。本県は2008年1月から何と14年9か月変えておりません。
県から市町村への財政支援について、保健医療部に試算していただきました。今年度、県から市町村への支給額の予算は約25億2,000万円、これが中学校3年生まで拡充すると約27億円の増額で約52億円、小学校6年生までは約20億円の増額で約45億円、これが小学校3年生までであれば約11億円の増額で約36億円になります。
千葉県では、通院費で小学校3年生まで、入院費で中学校3年生まで自治体への財政支援を行っています。今年度で67億円の予算を計上しています。本県と比べて約2.6倍の財政規模です。
そこで、大野知事に質問です。
子ども医療費については、これまで多くの議員が質問されてきました。県市長会での要望でも一番に挙げられています。それだけ県民ニーズが高い事業です。
先ほど申し上げた助成に関する自治体格差を埋めていくには、県が責任を持って更なる財政支援をすべきです。まずは、現行のゼロ歳から就学前までの支援を小学校3年生まで拡充すべきと考えます。千葉県は知事の決断により支援を拡充しました。私は、大野知事の県民を思うお言葉を伺います。心から期待します。御答弁をお願いします。

A.大野元裕 知事

子供に対する医療費については、長年の課題であった「県内全域における窓口無料化」の実施を決定し、令和4年10月の実施に向け、市町村や医師会などの関係機関と準備を進めてまいりました。
窓口無料化の実施には、窓口での支払が無くなることによる受診増や支払機関への手数料などの追加経費が2億円以上見込まれますが、子育て支援の充実につながる重要な取組として必要な予算を計上させていただきました。
窓口無料化の実施決定に当たり、対象年齢の引き上げについても、改めて検討いたしました。
議員の御提案のとおり小学校3年生まで引き上げた場合には、令和4年度の乳幼児医療費予算額の約1.4倍となる36億円もの予算が必要となります。
現在、子供に対する医療費助成制度は地方単独事業となっており、国の補助金などが無いため全額を県の一般財源として、毎年、確保する必要がございます。
また、対象年齢を引き上げた場合、受給対象者数が増加するため、窓口無料化に要する費用も更に増加をすることとなります。
他方、国民医療費の統計から一人当たりの年間医療費を推計すると、小学校就学前の乳幼児は小学生、中学生と比べると約2倍の医療費が掛かります。
このため、限られた予算の中、特に負担が大きい就学前の子育て家庭を重点的に支援していくという現在の政策を維持していきたいと考えております。
しかしながら、子供への医療費助成について、議員御指摘のとおり自治体ごとに差がある状況は解決するべき課題と考えます。
それは、県内の自治体間のみにとどまるべきものではなく、子供たちのことを思えばこそ、子育て支援のナショナルミニマムとして、国により統一的に実施されるべきものであると考えており、引き続き、各都道府県とも連携をし、実現まで粘り強く国に対し要望したいと考えております。

再Q 萩原一寿 議員(公明)

一貫して知事が言われている国からの支援というお話ですけれども、今回あえて自治体の格差という話を私がさせていただきました。このことについては、やはり県がしっかり責任を持って、これは対応すべきというふうに思います。
今回、10月からの窓口無料化につきましても、これはやはり長年の課題だったと思いますけれども、それはやはり県が責任を取ってこのことを進めてきたという、これは同等な話だというふうに私は思います。そこも踏まえて再答弁をお願いしたいというふうに思います。

再A 大野元裕 知事

先ほど申し上げました県内全域における窓口無料化、さらには医療費の助成の充実、こうしたサービスは地方が競い合うようなものではないと考えています。
先ほど萩原議員の御指摘の中でも自治体の間での格差というものは課題として御指摘をいただきました。
そうであれば、これは国がナショナルミニマムとして提供するべきものであり、したがって、他の都道府県とも強調して働きかけると、このように考え方を述べさせていただいたところでございます。
まずは、先ほど申し上げた県内全域における窓口無料化により、子供への医療費助成の充実を図ってまいります。
上記質問・答弁は速報版です。
上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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