Q.西山淳次 議員(公明)
新年度県予算案に私立高等学校授業料の実質無償化の対象が、年収720万円未満の世帯まで拡大することが盛り込まれました。これまで本県は、国の就学支援金に県独自の補助を上乗せして、年収609万円未満までの世帯の実質無償化を行ってまいりましたが、公明党の強力な推進により、令和2年度から国の就学支援金が実質無償化となる39.6万円まで一律に引き上げられ、その対象を年収590万円未満の世帯まで拡大することが国で予算化されました。
国の対象拡大による本県の負担軽減額は約20億円、我が党はこの負担軽減分を「更なる無償化の拡大に充てるべき」と、議会質問や予算要望で再三にわたって訴えてまいりました。また、昨年末12月27日の仕事納めの日には、最重点課題として大野知事に最後の念押しの要望をさせていただいたところであります。その結果として、実質無償化の対象を720万円未満の世帯まで拡大することが予算に盛り込まれました。大野知事の決断を高く評価させていただきます。
一方、併せて要望しておりました県外の私立高校に通う世帯に対する県単補助は、残念ながら見送られました。こちらは引き続きの課題として、是非何らかの支援を考えていただきたい。
そこで、お伺いいたします。今回、本県が720万円未満の世帯まで対象を拡大することにより、実質無償化となる生徒はどれくらい増えるのでしょうか。また、いわゆるカバー率はどのくらいになるのか、お答え願います。
次に、国の拡大により県外生であっても年収590万円未満の世帯の生徒は実質無償化になりますが、こうした世帯の生徒は本県内にどのくらいいるのかもお答え願います。併せて、多子世帯に対する支援の拡大が今回はありませんでした。この点についてのお考えもお聞かせください。
A.大野元裕 知事
補助対象の拡大で実質無償化となる生徒はどのくらい増えるのか、またカバー率はどのくらいかについてでございます。
昨年末、埼玉県議会公明党議員団から「私立高校父母負担軽減に関する要望」をいただいたこともあり、真摯に検討させていただきました。
令和2年度予算案については、県内私立高校の授業料の実質無償化を年収約609万円未満の世帯から、年収約720万円未満の世帯まで拡大する予算を計上しています。
これにより、新たに約8,000人が補助対象となります。カバー率はこれまでの約40%から約50%に拡大し、県内在住で県内の私立高校に通う生徒の2人に1人が授業料実質無償化の対象となります。
年収720万円は、県内私立高校に通う生徒世帯の年収の中央値であり、多くの家庭で安心して子供を私立高校に通わせることができる環境が整備されることとなります。
また、学費面において県内の私立高校に通いやすくなることで、県内私立高校の生徒募集におけるインセンティブが向上することとなります。
次に、国の就学支援金の拡大により実質無償化の対象となる年収590万円未満の県外生は、県内にどのぐらいいるのかについてでございます。
県内から県外の私立高校に通学する生徒は、およそ2万人と推計されます。
年収約590万円未満の世帯の割合が、県内私立高校に通う生徒の世帯と同じと仮定して試算すると、約7,000人が授業料の実質無償化の対象となります。
次に、多子世帯に対する支援の拡大が今回はなかったことについてでございます。
多子世帯につきましては、平成30年度から年収約720万円未満の世帯まで、他の世帯に先行して授業料の実質無償化を実施してまいりました。
今回の予算化では、多子世帯に限らず、年収約720万円未満の全ての世帯で授業料が実質無償化され、全国トップレベルの補助が実現することとなります。
多子世帯においては、一時期に学費負担が集中することなどから、更なる補助拡充の声があることは承知をしております。
多子世帯に対する支援の在り方につきましては、家庭の教育費負担の状況等を更に分析するとともに、保護者や私立学校関係者などの御意見を伺いながら、引き続き検討してまいります。
上記質問・答弁は速報版です。
上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。