Q.西山淳次 議員(公明)
私は、昨年の代表質問で、地球温暖化対策の新しい国際ルール、パリ協定がスタートした時期を捉えて、本県は2050年のCO2排出実質ゼロを宣言すべきと、知事の政治決断を促しました。これに対して大野知事は、ゼロ宣言については明確には答えず、「県が率先して行動し、県民や事業者の皆様、国や市町村など地域総ぐるみで英知を結集し、2050年に二酸化炭素排出実質ゼロとなるよう、具体的な道筋を検討してまいります」と答えられました。私は、この答弁に少々不満ではありましたが、具体的道筋を検討するというのなら、もう少し様子を見てみようと思い直しました。
そうこうするうちに、昨年10月、菅総理が所信表明演説で「我が国は2050年までにCO2排出ゼロを目指す」と宣言しました。やはり国も動き始めたか、次はいよいよ埼玉県だなと、私は新年度に向けて新たな展開を期待しておりました。しかし、残念なことに新年度の予算や施策の中に、私が期待したようなCO2排出ゼロに向けた目新しい取組を見つけることはできませんでした。率直に申し上げて、私は今とても複雑な心境であります。
地球温暖化は、申し上げるまでもなく、人類生存の基盤を脅かす政治の最重要課題です。どうすれば2050年までにCO2排出ゼロを達成できるのか世界中が模索し、懸命な取組が行われています。また、2050年にゼロを達成といっても、まず、私たちの世代が責任を持ってやるべきは、2030年、10年後までにどこまで流れを変えられるかでしょう。多くの識者も、この10年間が勝負だと発言されています。その意味で、私たちに残された時間は決して多くはないのです。
今、多くの県民がCO2排出ゼロに向けた埼玉県の取組に期待し、注目しています。そして、多くの県民が、できることは協力したいと思っています。今も私は、「具体的な道筋をつけていく」と言われた大野知事の取組に期待しております。
そこで、改めて申し上げます。本県のCO2排出ゼロの実現に向けて、大野知事に是非とも強力なリーダーシップを発揮していただきたい。私は、知事自身が県民の先頭に立ち、県民とともにCO2排出ゼロに向けて全力で取り組んでいくこと、埼玉県から全国を引っ張るような政策が展開されることを心から期待しております。
以上、私の思いを述べさせていただきました。どうぞ知事の御決意をお聞かせください。
A.大野元裕 知事
昨今、台風被害の甚大化など温暖化の影響が推定される事象が顕在化し、国内外では対策に向けた動きが目まぐるしくなってきております。
このような中、本県においてもスピード感をもって温暖化対策に取り組んでいくことが、今正に迫られているものと認識しています。
本県の目標設定型排出量取引制度では、産業界や事業者の深い理解と協力をいただき、これまで大幅な削減効果を上げています。
今年度は制度の第3計画期間に入り、更なる削減目標を設定し、事業者とともに新たなステージで取り組んでまいります。
また、本県では金融機関の持つネットワークを活用した中小企業の省エネ投資支援を行っており、金融機関、中小企業、環境の三方よしの点が評価され、令和元年度に全国知事会の環境分野の優秀政策として表彰をされました。
いずれも県内のCO2排出を少しでもゼロに近づけようと取り組んでいるものであります。
しかしながらこれで十分とは考えておりません。
地球温暖化対策は、正に「待ったなし」の課題です。
本県は730万人の人口を擁し、25万の事業所があります。
県民の皆様の暮らしや事業者の活動を気候変動の脅威から守っていくことは、私の責任であると自覚しており、リーダーシップを発揮し、県民や事業者などとワンチームになって全力で取り組んでまいります。
上記質問・答弁は速報版です。
上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。