Q.西山淳次 議員(公明)
希望する国民全員に、ワクチンを無償で安全、円滑に接種するという前代未聞の事業が始まりました。事態も日々変わっており、県も大変だとは思いますが、ここは一番、頑張っていただきたい。
以下、五点について質問いたします。
まず、ワクチンの入荷状況が当初の予定から大分変わってまいりました。現時点での最新のワクチン入荷の見通しと、それによって県や市町の接種スケジュールがどう変化していくのか。また、当初は試行的、試みの量になりそうな高齢者向けワクチンは、どのように市町に配分するのか。
次に、市町の高齢者に対する接種で、いわゆる練馬方式が関心を集めております。ディープフリーザーのある集団接種会場に加えて、身近な診療所などでも接種を受けられるものです。ワクチンの移送や予約が複雑になるなど市町の負担は増加しますが、住民にとってはありがたい仕組みです。そこで、本県内でこの練馬方式を実施する市町は、どれくらいあるのでしょうか。
三点目、寝たきり状態の高齢者など接種会場まで移動することが困難な方の接種は、どう行うことになるのか。
四点目として、一部の市町では、ワクチン接種を担当する医師が足りないとの声も聞きます。県立病院の医師派遣も含め、広域的な調整は行うことはできないか。また、ほかには市町に対してどのような支援を考えているのか。
五点目、ワクチン接種をするかしないかは本人の判断ですが、当然ながら、できる限り多くの県民が接種することが望ましい。そこで大事になるのが、正確で分かりやすい情報提供です。ワクチンの有効性や副反応への対応など情報提供を県として積極的に行い、知事から県民への呼び掛けも適宜行うべきと考えるがどうか。
A.大野元裕 知事
「ワクチン接種」のワクチン入荷の見通しとそれによるスケジュールの変化についてでございます。
2月19日及び24日付けの国の通知により、医療従事者等と高齢者のワクチンは、政府によるワクチン確保量を踏まえながら、段階的に分配されることが示されました。
医療従事者等の第1弾は3月1日の週から本県に42箱、その3週間後に同じ数が分配されますが、この分配量は4万950人の2回接種分であります。
また、第2弾として3月中に第1弾と概ね同じ量を全国に分配する見通しが示されましたが、本県への分配量は未定であります。
高齢者のワクチンにつきましては、4月5日の週に1回目及び2回目分として本県に1箱ずつの合計2箱、975人の2回接種分の量が分配されます。
また、4月12日の週には、1回目及び2回目分として本県に5箱ずつの合計10箱、4,875人の2回接種分の量が分配され、4月19日の週にも同数が分配されます。
4月26日の週からは、全国の全ての市区町村に行き渡る数量のワクチンを分配するとしていますが、具体的な数量は未定であります。
いずれにしても、本県の医療従事者等約23万人と65歳以上の高齢者約194万人には全く見合うことがない、ささやかな量であります。
3月から医療従事者等の接種を、4月12日から高齢者の接種を開始いたしますが、想定されてきたスケジュールどおりに接種できるほどのワクチンの確保量には達しておりません。
高齢者のワクチンの分配方法につきましては、分配量が示されたばかりであり、現在、検討中でありますが、例えば、集団接種会場や診療所への小分けなど、様々なパターンで接種をすることを想定しております。
次に、本県で、身近な診療所などでも接種を受けられる練馬方式を実施する市町はどのくらいあるのか、についてでございます。
議員お話しの練馬方式が、超低温冷凍庫を設置する基本型接種施設から診療所等への小分けを行う手法を意味するとすれば、県内のほとんどの市町村で、このような方式を予定しております。
しかし、小分けにすればするほど打ち切れずに無駄となるワクチンが増える懸念もあるため、集団接種と診療所等への小分けとの適切な組み合わせを市町村ごとに検討してまいります。
次に、寝たきり状態の高齢者など、接種会場まで移動することが困難な方の接種についてでございます。
厳格な温度管理が求められるファイザー社のワクチンについては、国は、当初、小分けは不可能としていましたが、取扱いを変更し、市町村などが管理を厳格に行う場合には多くの診療所への小分けも可能といたしました。
これにより、高齢者施設などに往診を行う診療所にワクチンを小分けすれば、接種会場まで移動することが困難な方にも接種ができるようになりました。
次に、ワクチン接種を行う医師を県立病院からの医師派遣も含め広域的な調整を行うことはできないか、についてであります。
県では、広域的な観点から、県医師会と郡市医師会の御協力をいただきながら、早い段階で県立病院を含む県内約300の病院を医療従事者等への接種を行う病院と地元住民への接種を行う病院等 とう に割り振ることといたしました。
県立病院では、病院が所在する市町村以外であっても市町村や郡市医師会から要請があれば、医師の派遣について適切に対応をさせます。
また、医師不足地域である秩父地域においては、広域的に集団接種会場を設置することで、接種体制を確保しています。
県が、秩父地域で説明会を実施したことを契機に、秩父市、横瀬町、皆野町、長瀞町及び小鹿野町の1市4町と秩父郡市医師会が覚書を締結し、地域全体のワクチン接種体制の議論を進めていただきました。
こうした好事例を他の医師不足地域にも紹介することなどにより、市町村を支援してまいります。
次に、医師派遣の他に県に求められている支援についてでございます。
市町村は、住民接種の体制構築に当たり、接種者数などのデータに基づく検討を行い、予防接種計画を策定した上で準備を進める必要がありますが、ワクチン供給量などの情報が少なく、見通しが立たず、予防接種計画の検討が難航しているという声がありました。
そこで県では、情報が少ない中でも、データに基づく検討を全ての市町村で行えるよう、高齢者への接種を念頭に、簡易に接種体制の目安を試算できるツールを作成し、2月16日の市町村説明会で丁寧に御説明をさせていただきました。
市町村の進捗状況を調査したところ、1月31日時点とツール提供後の2月22日時点を比較すると、「早急に作成予定」が38から50に増え、「作成予定なし」は6から0に減るなど検討の前進の兆しが見えます。
さらには戸田市と共同で集団接種訓練を実施しており、そこで得られた情報を各市町村と共有してまいります。
次に、ワクチンの有効性や副反応への対応などの県による積極的な情報提供及び知事から県民への呼び掛けについてでございます。
ワクチンの有効性や副反応への対応などについての情報は、多くの方に接種していただくためにも、県として、積極的に情報発信をしたいと考えております。
まずは、1月15日、16日に県医師会と共催で会議を開催し、医療関係者に向けて有効性や副反応を含め、ワクチン接種について情報提供を行い、医療関係者より県民に周知できる環境を整えました。
また、彩の国だより3月号でワクチンに関する記事を掲載いたしました。
さらに、「やさしく解説!大野知事の新型コロナ対策」として、私自らが副反応への対応について分かりやすく解説している動画を配信しています。
今後も、詳細な情報が入り次第、順次、県のホームページや広報紙、新聞、テレビなどを通じて広く周知をしてまいります。
上記質問・答弁は速報版です。
上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。