がん対策について – がん治療と仕事の両立支援について

Q.萩原一寿 議員(公明)

がんは1980年代から我が国の死因の第1位であり、およそ2人に1人ががんにかかると言われています。特に近年、30歳以上の働く世代のがん患者が増えています。
私は、これまでがんの告知を受けて仕事との両立で悩まれている方から相談を受けてきました。治療によって仕事を辞めなければならないのか、治療をしながらの勤務で職場に迷惑をかけるのではないか、仮に仕事を続けられたとしても、治療との両立で生活ができるのか不安であるなどです。
がんの検査や治療の方法が進み、早期発見、早期治療によってがんは治せる病気になっています。がんになったら、もう働けないのではなく、がんと共に生きる時代です。がんになっても働き続けられる環境づくりを急ぐべきです。そして、あらゆる角度からがん治療と仕事の両立支援を進めるべきです。
そこで以下、保健医療部長に伺います。
1点目として、がん治療と仕事の両立について、企業の経営者への理解を進めるために県が主催して講演会を行うなど、啓発を行うべきと思いますが、答弁を求めます。
2点目として、県が運営しているがんワンストップ相談について、3年前の開所時は対面で相談を行っていました。新型コロナの感染拡大により、現在では電話での相談のみになっています。これを対面やオンラインの相談など、利用者の立場に立った相談体制にしていくべきです。御所見を伺います。
3点目として、がんの告知を受けた患者が治療に向かい、生活を守るためにあらゆる情報に触れられるようにすべきです。その一つが、がん治療のためのハンドブックです。本県においては、ホームページ上での掲載のみになっており、同じ内容の冊子はありません。これでは、インターネットを操作できない方はどうやって治療や仕事の両立をはじめ、様々な情報を取ることができるのでしょうか。県が冊子によるがん治療のハンドブックを作成し、県内医療機関などに配布すべきです。
保健医療部長の御見解を伺います。

A.山﨑達也 保健医療部長

まず、経営者の啓発についてでございます。
国立がん研究センターが企業に行ったアンケートからは、従業員ががんと診断された場合の就業上の配慮事項や治療方法など経営者に必要とされる基本的な情報が不足していることが明らかとなっています。
そこで、県では県経営者協会などの団体の会合に職員を派遣するなど様々な機会を捉えて、がん治療と仕事の両立への理解促進を進めております。
今後は、団体等への働きかけを通じてそうした機会の充実に努めるとともに、新たに県ホームページに治療と仕事の両立に関する情報を掲載するなど、経営者の理解促進や啓発に積極的に取り組んでまいります。
次に、がんワンストップ相談の対面やオンラインでの実施についてでございます。
県では、経済団体の代表者等を構成員とする「がん対策推進協議会のがん患者の就労等部会」の委員に意見を伺いました。
委員からは、新型コロナウイルス感染症が落ち着くまでは電話相談がよいが、対面やオンラインでの相談も選べるとよいとの意見がありました。
また、患者からは、電話は移動する必要がないので身体的に負担が少なかったとの声がある一方、相談員からは、対面であれば、資料を確認し踏み込んだ助言ができるとの声もありました。
今後は、対面相談の再開やオンライン相談を加えるなど、患者が相談しやすい自分に合った方法を選択できるよう速やかに検討し実施してまいります。
次に、冊子によるハンドブックを作成し配布することについてでございます。
がん診療連携拠点病院等では、主に国立がん研究センターが作成した冊子「がんと診断されたあなたに知ってほしいこと」を活用し情報提供を行っております。
この冊子は、がんと診断された際の心構え、治療や仕事の両立など、役立つ情報をまとめておりますが、交流会などの患者支援を行う団体の活動など、身近な情報は掲載されておりません。
こうした情報は随時更新されるものであり、最新情報を患者にリアルタイムでお届けする必要があることから、団体の活動内容や医療機関における相談窓口などの情報などは県ホームページに掲載をしております。
一方、インターネットを自分の力で見ることができない方に対する配慮も重要でございます。
そこで、がん診療を行う医療機関と連携し、紙での情報提供が必要な患者には、県や医療機関が印刷して対応するなど、必要な情報をニーズに合った形で患者に届けることができるよう取り組んでまいります。

上記質問・答弁は速報版です。
上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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