歩行者保護について-手上げ横断の啓発-

Q.権守幸男 議員(公明)

地域住民から、「最近は車両が以前と比べ停止するようになった」との声を頂くようになりました。JAF(日本自動車連盟)が実施する信号機のない横断歩道における停止率調査の結果にも表れています。私が横断歩道における歩行者優先の徹底について質問した令和2年当時の停止率が12.4%、全国40位。昨年度の調査では22.1ポイント増え、34.5%、全国27位まで上昇しました。
しかしながら、県警察本部が行った横断歩道における歩行者の手上げの有無による車両停止率の独自調査では、手上げしない場合の49.8%に対し、手上げする場合は1.7倍の実に85.8%の結果が出ており、JAFの調査結果と比べ、手上げ横断が県民に十分浸透していないと言わざるを得ません。手上げ横断の重要性について、県民にもっと知ってもらうべきと考えます。
また、手上げ横断が教則に復活したのが43年ぶりのため、これまで手を上げる習慣がなかった世代から外で手を上げることが恥ずかしいと聞いています。このため、秋田県警察本部では県民が恥ずかしがらず手上げ横断をしてもらうように、1、腰の位置まで手を上げ、手のひらを返す、2、ドライバーに目線で合図し、意思表示するという方法を推奨しています。こういった工夫を参考に、手上げ横断する方法を紹介する必要があると考えます。
そこで、手上げ横断についての啓発について県として今後どのように取り組むのか、警察本部長と県民生活部長の見解を伺います。

A.鈴木基之 警察本部長

信号機のない横断歩道は、歩行者が安心して通行でき、かつ、その安全が確保される場所であります。
県警察では、横断歩行者妨害の指導取締りの強化、運転者に対する歩行者優先意識の徹底のための啓発等に努めてまいりました。
加えて、歩行者に対しては、信号機のない横断歩道において手を上げるなどの横断の意思を明確に示す取組として、イメージキャラクターSIGNちゃんを活用した交通安全教育や啓発も推進しております。
こうした取組により、JAF、日本自動車連盟による令和4年の埼玉県内の横断歩道手前での停止率調査では、34.5パーセントとなり、平成30年の7.8パーセントから上昇いたしました。
議員お話しのとおり、信号機のない横断歩道において、歩行者が手を上げるなどにより、運転者に対して横断する意思を明確に伝えることは、非常に効果的であると考えております。
成人に対しては、横断意思を明示するための方法として手を上に上げることのほか、前方に手を差し出す、ドライバーと視線を合わせるなどの方法も紹介しています。
歩行者が横断歩道において手を上げるなどの意思表示を行うことの効果、重要性を粘り強く周知するとともに、広く県民に浸透させながら、横断歩行者の交通事故防止に努めてまいります。

A.島田繁 県民生活部長

歩行者が、横断歩道で手を上げることは、運転者に対して横断の意思を示すとともに、運転者の視認性を高める有効な手段であり、横断歩道における交通事故を防止するために、大変重要でございます。
県内の歩行中の交通事故による死傷者数を年齢別に見ると、特に7歳、8歳の児童や、高齢者の人数が非常に多くなっていることから、本県では特に児童や高齢者にターゲットを絞った対策が必要と考えております。
そのため、児童に対する啓発として、県内の小学1年生全員に横断歩道での手上げなど、道路を歩く上で気を付けることをまとめたリーフレットを配布し、歩行中の安全について親子で確認することを呼び掛けております。
一方、高齢者に対しては、民生委員等による「お達者訪問」や県政出前講座などを通じ、横断時における手上げの重要性について、丁寧に説明しております。
また、彩の国だよりの7月号では、道路横断中の事故を防ぐため、主に高齢者の方に向け、「手上げ」など道路を渡る際の注意点をわかりやすく説明した記事を掲載いたします。
さらに、来年度開設予定の高齢者講習施設に設置予定の体験型交通安全教育施設において、効果的な手上げの実践例も含めた道路の安全な渡り方などについて、積極的に紹介する予定でございます。
今後も、県警察と連携し、手上げ横断の更なる普及に向けて、他県の事例も参考にしながら、あらゆる機会を通じて積極的な啓発に努めてまいります。

上記質問・答弁は速報版です。
上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。

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