Q.小早川一博 議員(公明)
15歳から39歳までのAYA世代がん患者が、年間約2万人も新たにがんの診断を受けているという現状が国立がん研究センターによって示されています。40歳以上の方は、介護保険制度の特定疾患にがんが追加され、介護サービスを利用しながら在宅療養が可能です。18歳未満は、小児慢性特定疾病医療費助成制度の対象となりますが、AYA世代はこれらの制度の対象外とされ、在宅療養を支援する体制が整っていない実態があります。
本来、AYA世代がん患者を含め、必要な医療や相談支援が切れ目なく提供されるべきです。他の都道府県では、自治体が県や市町村と連携して福祉用具の貸与、購入、訪問入浴、訪問看護などの支援を助成しているケースが増えています。同様に、本県でも自治体が単独でこれらの支援を実施する例が増えています。
これまで本県議会でもこの問題が議論され、地域全体で偏りなく在宅医療や介護サービスが提供できるかどうか、事業の在り方や体制整備について検討が進められてきました。また、令和5年度にはAYA世代の終末期がん患者の医療体制整備の予算が確保され、終末期医療の理解促進事業や地域の医療従事者に対する実技研修が実施されています。
AYA世代は、高齢者に比べて進行が速いがんが多いとされています。県内の市町村と協力して新年度から支援制度を導入すべきだと考えますが、知事の見解を伺います。
A.大野元裕 知事
議員御指摘のとおり、AYA世代の終末期がん患者への在宅療養支援は、小児慢性特定疾病医療費助成制度と介護保険制度の狭間となっているのが現状であります。
私も議員同様、非常に大きな問題だと認識をしております。
全国的な問題でもあるため、令和4年度から支援制度創設を国に要望しており、先月末には私自ら直接厚生労働省に出向き要望をしたところであります。
県内にはおおよそ100人のAYA世代の終末期がん患者がおり、その半数が在宅療養を希望しているものと推定され、こうした方々の希望をかなえることは極めて重要だと思います。
このためには、在宅医療を担う人材を育成すること、在宅療養サービスを利用するための経済的な負担を減らすこと、の両面からの支援が重要であります。
在宅医療を担う人材につきましては、県では今年度より、医師、看護師、薬剤師などを対象に、AYA世代の終末期医療に必要な知識、技術を習得してもらうための研修を開始し、育成に取り組んでおります。
在宅療養サービスにかかわる負担軽減については、助成制度を設け経済的支援を行っている市町村もある一方、未実施の市町村からは県に対し制度創設の要望が寄せられています。
県としては、引き続き人材育成を進めるとともに、政府に対して強く要望していることもあり、政府の対応を見据えつつ、在宅療養サービスを利用する方への経済的支援の在り方につき、検討を進めてまいります。
上記質問・答弁は速報版です。
上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
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