虐待ゼロをめざして – 各関係機関との連携強化の取組について

Q.橋詰昌児 議員(公明)

現在、新型コロナウイルス感染症の影響により、子供の見守り機会が減少し、児童虐待のリスクが高まっています。実際、虐待相談対応件数は増え続け、子供の命が失われる悲劇も繰り返されています。
全国の児童相談所が2021年度に扱った虐待件数は20万件を超え、過去最多を更新し、埼玉県でも1万7,606件と高止まりの状態が続いています。児童虐待防止対策には、発生予防、早期発見、発生時の迅速・的確な対応、被虐待児童への自立支援が柱と考えます。
先日、会派として岐阜県子供サポート総合センターへの視察を行いました。同センターは本年4月、岐阜市子ども・若者総合支援センター「エールぎふ」内に岐阜県、岐阜市、岐阜市教育委員会及び岐阜県警察の四者が同じフロアに顔をそろえ、児童の安全を最優先とした対策が講じられるよう、児童虐待等の対応に関して必要な協定締結に基づき設置されました。
既に、岐阜県と県警は2018年以降、認知した全ての虐待事案の情報を共有しているため、開設に伴う命令系統の変更はありませんでしたが、支援がメインとなる岐阜市などの自治体と介入に踏み切れる県児童相談所と県警が同じ建物に入居することで、連携の手続などがスムーズになり、重度事案の見過ごし防止につながっているとのことでした。大変参考になる取組で、見習うべきと感じてまいりました。
そこで、本県として各関係機関との連携強化の取組と児童虐待を起こさせない社会の実現に向けて、知事の御決意を伺います。
また、本県では、先進的な取組として通報を受理後、48時間以内に安全確認をする、いわゆる48時間ルールを実施されておりますが、現状と成果についてお示しください。

A.大野元裕 知事

「各関係機関との連携強化の取組について」の各関係機関の連携強化の取組と児童虐待を起こさせない社会の実現に向けた決意についてでございます。
本県における児童虐待相談対応件数は年々増加しており、令和3年度には17,606件と過去最高になっております。
こうした中、児童虐待の未然防止、早期発見、早期対応を行うためには、児童相談所と市町村、警察、教育委員会などの関係機関が連携して取り組むことが不可欠と考えております。
本県では、市町村との連携といたしまして、市町村の要保護児童対策地域協議会、いわゆる要対協に児童相談所職員が参加し助言を行うことで、児童虐待への適切な対応を支援をしております。
また、希望する市町村に児童相談所OBを派遣し助言・援助を行うことにより、市町村の相談や援助の技術向上を図っております。
警察との連携といたしましては、平成30年度から虐待情報の全件共有を開始した後、令和2年1月からは新たなシステムを導入し、児童相談所と警察がより詳細な情報をリアルタイムで情報共有をしております。
これにより、住民などからの通報に基づき警察が調査する際、過去の虐待履歴などを確認することができ、児童相談所による迅速かつ適切な一時保護につながっています。
教育委員会との連携といたしましては、市町村の要対協を通じて学校や教育委員会と情報共有を図り、児童虐待の早期発見、早期対応に取り組んでいます。
また、福祉部と教育委員会が共同し、教職員を対象とした児童虐待防止研修を実施するほか、各児童相談所において、小中学校の教員を受け入れ、児童相談所の業務の見学や担当者との協議を行う実務研修を通じ、業務内容の理解を促し、対応力の向上を図っております。
こうした取組に加え、令和元年度からは、県医師会、埼玉弁護士会など県内において児童を取り巻く様々な分野の団体の代表をメンバーとした「埼玉県児童虐待防止対策協議会」を設置しております。
この協議会では、関係団体の代表などが一堂に会し、児童虐待防止にかかわる情報の共有や、施策への意見交換などを行っています。
私は、児童虐待を起こさせない社会の実現に向け、関係機関との連携を強化し、子供を虐待から守るという強い決意の下、しっかりと取り組んでまいります。
次に、48時間ルールの現状と成果についてであります。
本県では、全国に先駆け平成11年より、48時間以内に児童の安全確認を行う「48時間ルール」を開始をいたしました。
現状として、全ての通告について、48時間以内の安全確認を徹底しております。
これにより、保護者が子供を他の人に会わせようとしない、子供の反応が不自然などのリスクが高い事例を直ちに把握することができ、その後の迅速な対応や躊躇ない一時保護につながっております。
子供は社会の宝であります。悲惨な児童虐待事件によって尊い子供の命が失われることがないよう、児童虐待防止に全力で取り組んでまいります。

上記質問・答弁は速報版です。
上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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