地域共生社会の推進について

Q.西山淳次議員(公明)

私たちの暮らしを支える福祉の在り方を見直そうという動きが進んでいます。国が新たな福祉改革の理念として掲げているのが、地域共生社会です。公的な福祉だけに頼るのではなく、地域に暮らす人たちが共に支え合う社会にしていこうということです。私たちが暮らす地域には、様々な課題を抱えた方がいます。要介護だが在宅で頑張るひとり暮らしの高齢者、生活に困窮している人、貧困家庭の児童、障害を抱えながら頑張っている人、掃除や料理、ごみ出しが難しくなっている人、生活習慣の違いに戸惑う外国人などなど。昔のように地域のつながりが強ければ、何とか近所で支えられていたようなケースも、人間関係が希薄になった現代社会では、誰にも相談できず孤立してしまい、かえって問題が深刻化してしまうケースも少なくありません。
こうした地域の現状の中で、公的な福祉サービスだけに頼るのではなく、地域に暮らす人たちが共に支え合い、課題を解決する力を再構築しようというのが地域共生社会の考え方です。私は、この地域共生社会という考え方に賛成です。まだまだ具体的な中身に乏しい嫌いはありますが、我が国の福祉が目指すべき方向性としては間違っていないと感じます。地域包括ケアを更に発展させたものであり、今後の福祉政策の大きな潮流になっていくと考えます。
そこでお伺いします。この地域共生社会という提案に対する認識と今後県としてどのように取り組んでいかれるのか、知事の御所見を伺います。
 

A.上田清司 知事

議員お話しのように、地域には誰にも相談できず孤立し、問題が深刻化してしまうケースが少なくありません。
80代の親御さんの年金に無職の50代の子供が頼る「8050問題」、介護と子育てを同時に抱える「ダブルケア」など複合的な問題で困っている方が激増しております。
国はこうした状況を踏まえ、誰もが地域の課題を「我が事」として捉え、公的サービスが縦割りでなく「丸ごと」対応する「地域共生社会」を掲げました。
人は互いに支え合って生きていくものであると私は思っております。
県ではこれまで、地域の課題を地域の人びとの力を活用して解決する仕組みづくりを行ってきたところでございます。
わがまち防犯隊ではシニアや大学生などが自主的なパトロールにより、地域の治安向上に貢献をしていただいております。
子ども食堂など子供の居場所づくりは貧困の連鎖解消に向けて様々な方が交流することにより、地域全体で子供を支える取組になりつつあります。
こうした取組において県は機運醸成を図るなど、地域の課題解決に向けて住民や関係団体の活動を積極的に引き出しています。
正に、国の掲げた「我が事」の理念に一致するものと思います。
地域の問題解決には地域に暮らす人たちが支え合うことが必要であり、私も議員と同様に地域共生社会の考え方が大変重要であると認識しております。
次に、今後県としてどのように取り組んでいくのかについてでございます。
県の役割の一つとして、子供の居場所づくりのように県の信用力を生かし、課題解決に向け住民や関係団体の活動を積極的に引き出すことが挙げられます。
一方、地域における困難な課題に「丸ごと」対応するには市町村の役割が何よりも重要です。
平成30年4月1日施行の社会福祉法の改正により、市町村には高齢者、障害者、児童などの福祉分野ごとの縦割りの対応ではなく、ワンストップで受け止める体制の整備が求められるようになりました。
このため市町村の要請もあり、今年度からワンストップ型の総合相談窓口の設置に向けた支援を開始しました。
具体的には、地域福祉の専門家であるアドバイザーの派遣、市町村間の情報交換、好事例の紹介などを行っています。
今後も住民の支え合い活動の促進と困難な課題に的確に対応する市町村の体制づくりを支援することで、地域共生社会の実現にしっかり取り組んでまいります。
 
 
上記質問・答弁は速報版です。
上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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