教育問題について – オンライン学習の現状と課題

Q.西山淳次 議員(公明)

一昨年は、3月から3か月間にわたり学校の一斉臨時休業が行われ、現在は、オミクロン株の感染拡大で多くの学校が学級閉鎖や分散登校を余儀なくされています。こうした状況下で、オンライン学習の必要性が急浮上する中、国のGIGAスクール構想が前倒し実施になり、オンライン学習が急速に動き出しました。対面による授業ができないことは痛手ですが、結果的に小中学校の児童生徒全員に端末が届き、通信環境も大幅に改善されるという形になりました。
では、現在、実態としてどのようなオンライン学習が行われているのでしょうか。ライブ配信で対面さながらの授業が行われ、教師とクラスの児童生徒全員がオンラインでやりとりをしている、そんなハイレベルなイメージを持っておられる方も多いかもしれません。そこで、現在、県内の小中学校で実施されているオンライン学習の実情はどうなのか、具体的なイメージが湧くように御説明をお願いします。
また、今後コロナが収束したとしても、オンライン学習は推進すべき課題であり続けます。その意味で、現時点で見えてきたオンライン学習の課題にはどのような点があるのかについてもお尋ねします。
そして、懸念されているのが対面での授業が減った分、子供たちの学力が低下しているのではないかということです。学習機会の保障ということで様々な努力がされたようですが、このコロナ禍の期間、学力の低下はあったとお考えでしょうか。
以上、オンライン学習について3点、教育長よりお答えください。

A.高田直芳 教育長

小中学校で実施されているオンライン学習の実情はどうかについてでございます。
オンライン学習の方法には、教員と児童生徒がオンラインを通じてやり取りを行う双方向型や、学習動画や課題をオンラインで配信する配信型がございます。
具体的には、ビデオ会議システムを使った授業のライブ配信や質疑応答、アンケートシステムを活用した小テストやチャットを使った個別指導、サイトに掲載されている学習動画の視聴や電子メールで配信されるプリントへの取組などがございます。
これらの様々な方法を学習内容や発達段階などに応じ、組み合わせて行うことが効果的です。
昨年9月の緊急事態宣言下においては、分散登校などを実施した学校のうち、99.3%の学校で様々な実施形態を工夫しながらオンライン学習が行われておりました。
また、今回のまん延防止等重点措置期間においては、学年末ということもあり分散登校などを計画的に実施している学校はそれほど多くないものの、学級閉鎖や学年閉鎖の場合においては、オンライン学習が有効に活用されております。
次に、オンライン学習の課題についてでございます。
オンライン学習を推進していくためには、平常時から教員や児童生徒がICT機器を日常的に活用できるようになることが重要です。
このため、教員自身のICT活用スキルの向上はもとより、児童生徒にICT機器の活用の仕方や情報モラルを身に付けさせるため、教員の指導力の向上が必要です。
また、ビデオ会議システムなどを用いて、リアルタイムでのやり取りを行う際、端末の画面越しのため、児童生徒の表情や様子がわかりづらいなどの課題がございます。
次に、コロナ禍の期間における学力の状況についてでございます。
県では、小中学校の児童生徒一人ひとりの学力レベルを測定し、その伸びを継続して把握できる、埼玉県学力・学習状況調査を実施しております。
令和3年度の調査結果からは、令和2年度には学校の臨時休業があったものの、その後の児童生徒の熱心な取組により、全ての学年・教科でほぼ例年と同様の学力レベルに達していることが分かりました。
コロナ禍が学力にあたえる影響は引き続き、慎重に分析していく必要がありますが、学校が感染防止に努めながら、学校行事や体験活動など児童生徒が集団で取り組むような活動を工夫しながら行うことによって、児童生徒の意欲を高め、学力向上に結び付けていくことが重要です。
県といたしましては、教員研修の充実を図るとともに、個別の課題に応じたオーダーメイド型支援、さらには、オンライン学習に関する好事例の収集と発信などを通じ、児童生徒の学力向上にも資するよう、オンライン学習の更なる充実に積極的に取り組んでまいります。

上記質問・答弁は速報版です。
上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。

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