動物と共生する社会の実現に向けて-ペット同室避難所の開設について-

Q.戸野部直乃 議員(公明)

同行避難とは、前提としてペットと共に避難することであり、避難所においてペットと同じ空間で過ごせるということではないということです。そうしたことを踏まえ、現在多くの市町村の指定避難所において総務省や県のガイドラインを基に受入れの検討や地域住民への周知が進められています。避難所によっては、立地の条件等からペットの受入れが困難なところや同行避難に関するルールも違います。避難する側も、動物が苦手な人やアレルギーのある方などへの配慮も念頭に置きながら、事前の確認と準備が必要です。
上尾市と上尾・伊奈獣医師協会の調べでは、2019年の台風第19号の際、上尾市内30か所の避難所が開設され、そのうち5か所の避難所で犬や猫、ウサギ、ハムスターといった28匹のペットの受入れがありました。5か所の避難所とも、飼い主とは別のスペースになっていました。ペットがかわいそうということで、飼い主がペットと同じスペースで一緒に過ごしていた方もいたということでした。
全国的に災害時にペットと同じ空間で過ごす同室避難ができないことで避難をためらったという声が課題となっています。そうした声を受け、愛知県犬山市では昨年から同室避難が可能な避難所を市内公共施設の会議室等3か所に位置付けました。そのほか、岡山県総社市でも同室避難が可能な施設があります。避難所では、飼い主と一緒だったためか、ほとんど吠えることなくペットも落ち着いていたという報告もあったそうです。
このように、ペットと飼い主は別の場所で過ごすという同行避難の認識は、少しずつ変化してきているように感じます。ペットは家族の一員です。同室避難所があることで、守られる命がたくさんあります。避難所開設を行う各市町村において、同室避難所開設に向け認識を高めていただくよう、ペット同行避難ガイドラインへの掲載及び周知について、保健医療部長の御見解をお聞かせください。

A.表久仁和 保健医療部長

ペットと同じ部屋で過ごせる避難所の開設事例は全国的に少なく、本県での事例もございません。
県内各市町村の地域防災計画においては、住民が同伴してきたペットを避難所に受け入れることは明記されておりますが、人の居室とは別の場所に動物専用の保管スペースを設置することを原則としています。
また、防災計画上はペットを同行してきた避難ができるとされていながら、実際には一部の避難所でペットの受入れを拒まれた事例も報告されているところです。
これは、避難所の管理・運営を行う現場の担当者までペット同行避難に関する意思統一を図れておらず、ペットの受入手順や専用スペースの配置について検討がなされていなかったことに起因するものです。
こうした状況を踏まえ、まずは県内のどの避難所でもペットの受入れが確実に行われるよう、市町村の体制整備を促していくことが喫緊の課題であると考えます。
さらに、ペット同行避難の定着に次ぐステップとして、同室避難所の開設について市町村の認識が高まるよう、市町村担当者への研修会などを通じて働き掛けるほか、ペット同行避難ガイドラインへの掲載も検討してまいります。

上記質問・答弁は速報版です。
上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。

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