子育て支援について-産後ケアの拡充について-

Q.戸野部直乃 議員(公明)

国は、少子化対策大綱において妊娠期から子育て期にわたるまでの切れ目のない支援の1つとして、産後ケア事業を令和6年度末までに全国全市町村が取り組むことを目標としています。
大野知事は、9月定例会初日の本会議場で、2期目に向け力強い就任挨拶をされました。挨拶の中で、今年度から市町村と子育て世帯を直接つなぎ、孤立した子育てやワンオペ育児などを防止し、育児の負担を軽減することを目的に、子供が生まれた世帯へギフトを贈呈するコバトンベビーギフト事業を開始したとおっしゃっておりました。
こうした取組に合わせ、更なる産後ケアの充実を図っていただきたいとの思いで質問いたします。
本県において産後ケア事業を実施している市町村は、令和2年度で27市町村だったのが、現在、53市町村と実施している数は拡大しています。本県の産後サポート事業の充実については、公明党の橋詰議員が令和4年12月定例会で取り上げ、県として産後ドゥーラを含む産後事業に取り組む人材の育成を図る研修等を実施することについて質問。保健医療部長の答弁では、県では市町村を支援する立場から、県内のどこにお住まいでも充実した産後の支援が受けられるよう、産後の支援に携わるスタッフの研修について市町村とともに検討するというものでした。
本年、閣議決定されたこども未来戦略方針では、産後ケア事業について支援を必要とする全ての方が利用できるようにするための提供体制の確保に向けた取組を進めるなど、子育て家庭の産前・産後の心身の負担軽減を図る観点から、実施体制の強化等を行うこととされました。これまで対象者について産後に心身の不調又は育児不安等がある者、そのほか特に支援が必要と認められる者とされてきましたが、このたび産後ケアを必要とする者と見直されました。希望する全てがケアを受けることができる体制づくりがより一層求められます。
また、未実施の10市町村に対しても、早期に開始できるよう県の力強い後押しも必要です。出産後の母親の心と体を支え、育児に不安なく向き合うために必要な産後のケア、県は支援に携わるスタッフの人材育成と提供体制の強化にどのように取り組んでいくのか、知事にお伺いいたします。
また、産後ケア事業の申請手続そのものが煩雑であったり、手続が終わったとしてもケア実施までに時間がかかるとの御意見が届いています。現在、妊婦へ母子健康手帳を交付する際に妊婦健診助成券のほか、妊娠中に必要な検査の助成券や新生児聴覚検査、産婦健診の助成券をセットにしてお渡ししています。私は、これらに産後ケア助成券も加え、出産後の母親にとって更に利用しやすいものにし、事業の周知をすべきと考えます。
そこで、県として利用者負担の軽減につながる取組の実施について、保健医療部長の見解を伺います。

A.大野元裕 知事

「子育て支援について」のお尋ねのうち、「産後ケアの拡充について」の産後の支援に携わるスタッフの人材育成と提供体制の強化にどのように取り組んでいくのかについてであります。
産後ケア事業につきましては、心身のケアや育児のサポート等により、産後も安心して子育てができるよう支援を行う極めて重要な事業であると認識をしております。
このため、県では、産後の支援に携わる市町村の保健師などを対象に、産後の母親のメンタルヘルス支援や多胎妊産婦への支援など、産後支援に関する人材育成のための研修を充実させてまいります。
また、産後ケア事業の実施については、事業の委託先となる産科医療機関の不足等により、実施が困難になっている市町村もあるのが現状です。
そのため、今年度、市町村へのヒアリングを行い、課題を抽出し、全市町村での事業実施に向けて支援を強化したいと思います。
今後も引き続き、必要とされる全ての方が産後ケア支援をしっかり受けられるよう提供体制の強化に取り組んでまいります。

A.表久仁和 保健医療部長

産後ケア事業には、医療機関や助産所を利用する「ショートステイ型」と「デイサービス型」、自宅に助産師等が訪問する「アウトリーチ型」の3種類の方法があり、市町村ごとに実施形態は様々です。
また、ケアの内容も、母親の健康管理、授乳や沐浴などの育児指導、発育に関する相談など多様であり、市町村職員が母親等と相談しながら適した支援を行っています。
議員御指摘の産後ケア事業の申請手続きにつきましても、予約方法や、料金形態について、各市町村の実情に応じて、様々な方法で実施されているところです。
事業の周知についても、各市町村が配布する子育て支援ガイドブックやホームページなど、各市町村が工夫して実施しているところです。
このため、利用者負担の軽減につながる取組の実施については、産後ケア事業助成券の導入も含め、まずは、実施主体である各市町村や産科医療機関等の意見を伺い、検討してまいります。

上記質問・答弁は速報版です。
上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。

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