不登校支援について-フリースクール等へ通う家庭への支援について-

Q.戸野部直乃 議員(公明)

文部科学省の令和3年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果によると、全国の小・中高等学校の不登校児童生徒数は29万5925人と、過去最高を記録しました。コロナ禍における令和2年度と令和3年度を比較すると、約24パーセントも増えています。保護者としては、「無理して学校へ行かなくてもいいんだよ」との言葉とは裏腹に、学校へ行かない状況が長期化するにつれて、学力や心の面での社会的自立は今後どうなってしまうのかと心配も募ります。
文科省の調査では、小・中学校における不登校児童生徒のうち、フリースクール等を含む民間施設に通う子は全体の3.7パーセントだといいます。要因としては、情報が行き届いていないこと、平均して月額3万円以上となる多額の費用がかかることが挙げられます。民間団体の調査では、不登校をきっかけとして世帯収入が減った世帯はおよそ3割、更に給食費に代わる食費やフリースクール代等により9割の御家庭で支出が増えたという調査結果もあります。子供の将来への心配に加え、待ったなしで経済的に困窮していく御家庭に早急に寄り添っていきたい、思い悩み御相談を寄せてくださる御家庭のお話を伺うにつれ、そのような気持ちが高まる毎日です。
こうした中、フリースクール等に通う御家庭に支援をする自治体が増えつつあります。遠くは沖縄県、近隣でも実施しているのが栃木県や茨城県などがあります。東京都では、フリースクール等に通う児童生徒の活動内容に関する実態調査に協力する御家庭に月2万円の調査協力金を支払っています。このような調査を行うことは、東京都にとって今後の不登校支援対策を検討する上で大変参考となるとともに、協力金を受け取る御家庭にとっては経済的支援となり、大きな支えになるのは間違いありません。
こういった取組を参考に、本県でもフリースクール等へ通う御家庭に対し、このような実態調査を実施するとともに、そこでの結果を踏まえ、経済的な面も含めた支援をすることについて、教育長の見解をお聞きいたします。

A.日吉亨 教育長

不登校児童生徒の支援のためには、学校以外の学びの場を充実させることが重要であり、フリースクール等の民間施設、団体はその選択肢の1つになると考えます。
こうしたフリースクール等に通う家庭への経済的な支援の在り方については、平成28年度に成立した教育機会確保法の附帯決議で、国において検討することとされており、現時点では結論が出ておりません。
一方で、フリースクール等に通う家庭への何らかの経済的支援を行う都道府県は令和4年度には5県であり、議員お話の東京都でも家庭に調査協力金を支給し、実態把握を進めていると承知しております。
県では、義務教育段階における不登校児童生徒への経済的な支援の実施については、教育の機会均等の観点から国の検討結果を踏まえることが必要と考えており、令和4年度から国に対して、経済的支援の在り方を速やかに検討し必要な措置を講じるよう要望しております。
並行して、フリースクール等に通う児童生徒の活動や支援の内容、家庭のニーズなどについて、親の会などの関係団体にヒアリングを行うなどして、詳細な実態調査を行い、フリースクール等を含む多様な学びの場の充実のための方策について検討してまいります。

再Q 戸野部直乃 議員(公明)

保護者や団体に対する実態調査を行っていただけるということで、今後の支援策の検討につながるものと大きく期待をいたします。
経済的支援が必要と考え、実施している自治体が幾つかあります。経済的支援は単純に家計を助けるものだけではなく、不登校児童生徒にとって社会とのつながりを保つための重要な支援であると私は考えます。
国の検討結果を待つとの御答弁でしたが、実態調査を行った結果、経済的な支援を求める声が多く上がった際は、国の方向性、また、検討が示される前であっても、支援を検討していただくお考えがあるのか、教育長の御見解をお聞かせください。

再A 日吉亨 教育長

一般に、フリースクールに明確な定義はなく、設立目的や活動内容、また、運営主体も様々であり、いわゆる学習塾との違いも明確ではありません。
そのため、経済的支援を実施するに当たっては、こうした団体の組織体制や活動を評価する基準などの整理が課題であり、現在、国において検討中であります。
県では、国に対して、経済的支援の在り方を速やかに検討し必要な措置を講じるよう引き続き要望するとともに、家庭の実態に関する調査を行い、多様な学びの充実のための方策について検討してまいります。

上記質問・答弁は速報版です。
上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。

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