Q.橋詰昌児議員(公明)
県下唯一の公立の視覚障害特別支援学校である塙保己一学園は、両目の視力が0.3未満の方、またはそれ以上でも医師の診断により盲学校での教育を受けることが適切と判断された方等が入校されています。現在、3歳以上の幼稚部から高等部専攻科まで合計127人が在籍をしております。
去る8月26日、公明党議員団で現地の視察を行いました。目的は、平成30年度に塙保己一学園内に東洋療法研修センターが開設したことにより、機能の充実や現状の課題などを見るためです。その東洋療法研修センターは、あん摩マッサージ指圧、はり、きゅう、いわゆる「あはき」に関する相談や支援、情報提供を行っています。また、高等部専攻科における技量教育の充実を図るため、卒業生や現職教員等の技量教育、臨床教育に関する研修等の事業及び事業の普及啓発のために必要な事業を県立学校が持っている、その教育力を地域に還元する取組の一環として行う側面もあります。
視察当日も、卒業生の方が熱心に研修を受けておられました。卒業しても自身のスキルアップや様々なことを相談できる場所があることは、卒業生にとっても力強いことだと思います。しかし、現在の東洋療法研修センターの運営については従来の高等部専攻科が当たっている現状があり、通常の専攻科授業等と併せて運営しております。時間的な問題や教員の負担軽減のためにも、教員の加配は必要と感じます。そして、何よりも在校性、卒業生の子供たちの未来のために環境を整えるべきです。教育長の答弁を求めます。
加えて、塙保己一学園は県下唯一ということもあり、幼児、児童生徒が全県から通学をしています。自宅が遠距離に加え、様々な障害により多くの生徒が寄宿舎を利用しています。利用者は現在83名で、小学部から高等部専攻科まで幅広く、そのうち35名が重複の障害を持っておられます。寄宿舎を支える指導員は全体で21名の体制を組んでおり、夕食をはじめ入浴の準備など大変な激務であります。子供たちの安全を守ることはもちろん、いろんな相談ごとなども受けられるとお聞きしました。
視察の際、指導員の方に「指導員の人数は足りていますか」と質問をしました。すると、すてきな笑みを浮かべ、「少し苦しいですけれども、何とかやっていきます」とお答えいただきました。一緒に視察していたほかの県の職員に気を使われていた発言と感じましたが、実際大変なんだなと感じました。指導員の加配も必要と考えます。
以上、2点とも加配の問題でありますが、障害のある子供たちが明るい未来のために考えていくべく大事なことです。教育長、答弁をお願い申し上げます。
A.小松弥生 教育長
まず、「東洋療法研修センターのための教員の加配」についてでございます。
東洋療法研修センターは、塙保己一学園の専攻科卒業生や教員等のあん摩やはりなどの専門性向上に向けた研修などを実施するため、平成30年度に設置し、その運営は主に専攻科の教職員が担当しております。
平成30年度は卒業生2名が研修を受講して就職を実現した他、今年度についても卒業生1名が週1回程度、就職をめざして研修しております。
今後も、研修に対するニーズなどをしっかりと把握し、教育活動や専攻科卒業生の就職支援の充実に努めてまいります。
次に、「寄宿舎指導員の加配」についてでございます。
塙保己一学園は遠距離通学の大変さや障害による困難さにより、寄宿舎の利用を希望する児童生徒が多く、寄宿舎生活の充実を図るため、寄宿舎指導員の役割は重要だと考えております。
県教育委員会では、これまで、寄宿舎を有する5校で構成する教育課程研究協議会において、指導上の課題について情報交換や研究協議を行い、寄宿舎指導員の資質能力の向上を図ってまいりました。
また、学校訪問を実施し、校長や教職員からヒアリングを行うとともに、PTA役員との意見交換などを通じて、宿直の負担が大きいという実態を把握し、宿直補助員の配置などを行っております。
今後も、実際の寄宿舎生活における課題などについて、より一層丁寧に実態を把握し、寄宿舎指導の充実に努めてまいります。
上記質問・答弁は速報版です。
上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。