ケアリーバー(施設・里親などを巣立つ子ども)支援の拡充について

Q.橋詰昌児 議員(公明)

ケアリーバーとは、児童養護施設や里親など社会的養護の元で育ち、保護、ケアから離れた子どものことです。通常、高校卒業などを機に社会へ巣立っていきますが、自立は容易ではありません。
そこで、本年成立した改正児童福祉法では、ケアリーバーへの支援が拡充されました。虐待や貧困などを理由に親元を離れ、児童養護施設などで暮らす子どもは、従来、制度上では原則18歳で施設や里親を離れなければなりません。しかし、18歳での自立は極めてハードルが高く、最初は孤立して生活苦に陥るケースなどが相次いでいると報告されています。
厚生労働省が昨年4月に公表した初のケアリーバー全国実態調査では、その窮状が浮き彫りになりました。5人に1人が収入より支出が多い赤字生活であることが明らかになり、経済的な理由で進学を断念したり中退したりするケースも多いとされています。
さらに、同調査によると、過半数が民間賃貸住宅などに1人で暮らしており、家族など頼れる大人が周囲にいないことが多く、孤立しやすい状態にあります。児童養護施設の関係者によると、出身施設の職員などが相談相手になる場合もありますが、施設に遠慮をして連絡できない子や自ら接触を拒絶する子もいるそうです。
こうした実態を踏まえ成立した改正児童福祉法は、2024年4月に施行される予定で、ケアリーバーの自立支援を行う児童自立生活援助事業について最長でも22歳までとする年齢制限や教育機関への在籍といった援助の要件が緩和され、都道府県が必要と判断する時点まで支援を継続できるようになります。
そこで、今回の法改正を受け、本県としてどのように取り組んでいかれるのか、福祉部長に伺います。
加えて、退所後のサポート強化のため相談や交流ができる拠点を整備する事業も、都道府県が行わなければいけない業務として盛り込まれました。本県では、2019年7月に居場所事業としてクローバーハウスを運営しておりますが、更なる拡充について福祉部長の見解を伺います。
さらに、繰り返しになりますが、ケアリーバーを取り巻く環境は非常に厳しく、晴れて社会に出た後、数年で失職し、行方不明になる事例もあり、国の調査では施設や里親が所在を把握できていないケアリーバーが約7割に上るという事実が発覚しました。このことに対し、本県での実態と対応について、福祉部長に伺います。
また、ケアリーバーに対する更なる社会的認知度の向上が必要と考えます。越谷のある保険会社の所長は、社会的養護のことをもっと知ってもらいたいとの思いで活動されている中、先月、基金寄附型自動販売機の設置を希望し、実現させました。
具体的には、県の児童養護施設退所者等アフターケア事業を受託運営している一般社団法人コンパスナビと飲料メーカーの共同事業で、自販機の売上げの一部を基金としてケアリーバーの就労や自立支援活動費に充てられるものです。自動販売機には、コンパスナビのイメージキャラクターの「なびっと」とともに、児童養護施設等を巣立った若者たちを応援しますといったテーマがラッピングされております。
このような取組などを積極的に紹介するなど、更なる社会的認知度の向上について、福祉部長の見解を伺います。

A.金子直史 福祉部長

「児童自立生活援助事業について、法改正を受けどのように取り組んでいくのか」についてお答えを申し上げます。
児童自立生活援助事業は、児童の自立支援を図るため、自立援助ホームで共同生活を送りながら、相談や日常生活の援助、生活指導及び就業の支援を行う事業です。
令和4年6月15日に公布された改正児童福祉法では、最長22歳とする年齢要件が弾力化され、都道府県が必要と判断する時点までこの事業を活用して、同じ施設や里親のもとで自立支援を受けることを可能にするなど要件が緩和されました。
国では、都道府県が必要と判断する時点について、令和6年4月1日の法施行までに一定の考えを示すとしています。
県といたしましては、国の考え方を参考にして、施設等の関係者とこの事業の運用について協議しながら、児童の自立支援の充実に取り組んでまいります。
次に、「クローバーハウスの更なる拡充について」でございます。
クローバーハウスは、県が設置し、一般社団法人コンパスナビに運営を委託して、相談対応や交流機会の提供などを通じて施設退所者などのアフターケアを行っています。
改正児童福祉法によって、施設退所者等に対する自立支援の提供体制の強化が図られ、新たに生活支援・自立に関する相談等を提供する社会的養護自立支援拠点事業が創設されました。
県としては、こうした事業を活用して、今後、このクローバーハウスの拠点としての機能を拡充していきたいと考えております。
次に、「所在が把握できていないケアリーバーの本県の実態と対応について」でございます。
本県では、令和元年度から各児童養護施設に依頼し、施設退所後少なくとも3年間は継続して退所者の就労や就学状況を確認する取組を行っております。
また、児童が施設を退所する際には、生活や就業に関する相談先や支援内容をまとめた冊子を渡しています。
令和4年度に実施した県の調査では、議員お話の全国調査とは異なり、調査の対象が、高校を卒業した施設の退所者にはなりますが、全く連絡が取れない退所者は約1割となっております。
今後もクローバーハウスを通じ、出身の施設以外においても生活支援や就労など様々な相談ができる機会を提供し、退所者が孤立化しないよう取り組んでまいります。
次に、「社会的認知度の向上について」でございます。
議員お話しの取組は、ケアリーバーの支援に繋がる意義のある活動であり、社会的認知度を高めることに繋がると考えます。
ケアリーバーを社会全体で支えることは、誰一人取り残さない「日本一暮らしやすい埼玉」の実現に寄与するものでございます。
このため、まずは、コンパスナビや児童養護施設等からケアリーバーに対する支援事例などを広く収集してまいります。
こうした事例を子どもの未来を応援する企業や団体、個人で構成する「こども応援ネットワーク埼玉」こうした団体を通じてSNSで発信するなど、情報発信に工夫を加えケアリーバーの社会的認知の向上に取り組んでまいります。

上記質問・答弁は速報版です。
上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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