踏切における視覚障害者の安全な通行確保対策について

Q.深谷顕史 議員(公明)

本年4月25日、奈良県大和郡山市の踏切内で白杖を持った全盲の女性が特急列車にはねられて亡くなるという大変痛ましい事故が起きました。踏切を横断中に遮断機が降りてしまい、女性は自分が踏切の外側にいると思い込み、事故に遭ったと見られています。事態を重く見た同市は、再発防止に向け、踏切の内側であることを示す点字ブロックを設置、経年劣化で一部損傷していた踏切手前の点字ブロックも新しく設置し直したとのことです。
この事故を受け、国土交通省は6月、道路バリアフリー化に関する指針を改訂し、全国の自治体や鉄道事業者に通知しました。改訂後の指針では、公共施設と駅、バス停を結ぶ歩道や視覚障害者の利用が多い歩道などバリアフリー法で特定道路に指定されている道路において、1つ目に、踏切の手前に注意喚起の点字ブロックを設置すること、2つ目に、踏切の外にいるとの誤認を防ぐため、表面に凹凸のある誘導標示を踏切内に設置することの2点を求めています。
埼玉県福祉のまちづくり条例設計ガイドブックでは、望ましい整備として「踏切手前の歩道面に点字ブロックを設置する」とありますが、国交省の指針改訂を踏まえ、「望ましい整備」から「標準的な整備」へと見直されることを期待します。埼玉県視覚障害者福祉協会からも早期の対応を求める声が上がっております。
踏切内の整備は、誰が主体的に整備するかが大きな課題であることも認識しております。しかし、だからこそ行政が主導し、公費を投じて整備することが普及の近道ではないでしょうか。
現在、県管理道路には93か所の踏切があり、近くに踏切があることを視覚障害者に伝える点字ブロックを踏切の手前に設置してある箇所数は5か所、踏切の内側に点字ブロックが設置されている箇所数はゼロと伺っております。特定道路などの踏切内の安全確保対策を早期に、そして視覚障害者や車椅子利用者等、利用頻度の高い場所から優先的に整備を進めていくなど計画的に着手していくべきと考えますが、以下、県土整備部長にお伺いいたします。
1点目に、対策を行う必要がある特定道路の踏切が何か所で、今後どのように整備を進めていくのでしょうか、御所見をお伺いいたします。
2点目に、県は、特定道路以外でも早急に各地の踏切の状況や危険度を調査すべきであると考えます。その際、視覚障害者団体等の皆様と一緒に現地調査を行うなど、当事者の要望に沿い、かつ優先度の高いところから整備に着手することが重要であると考えます。今後どのように整備を進めていくのか、御所見をお伺いいたします。

A.北田健夫 県土整備部長

御質問の対策を行う必要がある特定道路の踏切は、県管理道路上には川越市内に2箇所、深谷市内に1箇所で、合計3箇所ありますが、いずれも視覚障害者誘導用ブロックは設置されておりません。
この3箇所の踏切では、国土交通省の指針に基づき、踏切手前については、視覚障害者誘導用ブロックを設置してまいります。
また、踏切内につきましては、鉄道事業者と協議することとしており、現在、川越市内の1箇所においては、凹凸のある誘導表示等の設置に向けた協議を進めているところです。
残る2箇所についても、鉄道事業者と協議してまいります。
次に、特定道路以外の踏切につきましては、優先して整備すべき箇所を把握するため、本年11月に複数の視覚障害者団体に対して、利用実態を踏まえた要望箇所の抽出をお願いしております。
具体的な要望箇所が確認でき次第、現場状況に適した安全対策を順次、実施してまいります。
引き続き、関係機関とも連携しながら、踏切の安全対策に努めてまいります。

上記質問・答弁は速報版です。
上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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