Q.石渡 豊 議員(公明)
帯状疱疹という言葉を最近はよく聞くようになりました。メディアでもよく取り上げられ、社会的関心が高まっています。
この帯状疱疹の御説明ですが、国立がん研究センター中央病院感染症部の岩田敏医師は、こう述べられています。「初めはひりひり、ちくちくといった皮膚の痛み。その後、水ぶくれを伴う赤い発疹が帯状に広がる。そして、眠れなくなるほどの激しい痛みを伴うことも少なくない。あわせて、高齢者にはワクチン接種が何より重要」とも指摘されました。また、国立感染症研究所による宮崎県での大規模な疫学的調査では、50歳以上から発症リスクが上昇し、70歳以上でピークに、そして80歳までに3人に1人が経験すると報告されています。正に高齢者にとっては、激しい痛みに苦しむ、とても怖い、身近な病気なのです。
それでは、ワクチンですが、2種類あります。水疱瘡ワクチンと帯状疱疹ワクチンです。
水疱瘡ワクチンは、弱毒化したウイルスを打つ生ワクチンで、予防効果は約50%、副反応は低いとされています。ただ、大人が帯状疱疹の予防目的で打つ場合は費用が自己負担となり、9,000円程度もかかります。
一方、帯状疱疹ワクチンは、無毒化したウイルスを使った不活化ワクチンで、予防効果は90%から97%と高いのですが、副反応は接種部位の痛みが8割、発熱が2割の人に出るなどあります。2回打つ必要もあり、費用は計4万4,000円程度と高いです。
県民の皆様がワクチンが有効と思ってもワクチン接種をためらう、このためらいのハードルは、高額な費用にあると私は考えます。
この1月20日、東京都をお訪ねしました。都は、令和5年度予算案に帯状疱疹ワクチン任意接種補助事業として、帯状疱疹ワクチン接種に関わる個人負担の軽減を行う区市町村への支援を打ち出しました。区市町村からは、都がそういう事業をお考えなら、うちもやりますという歓迎の声を頂いているとのことです。
それでは、お伺いします。
1点目は、ワクチンに対する国の動向を、本県はどのように把握なされておりますか。
2点目は、ワクチン接種の助成事業の主体は市町村です。本県内でも5つの市町が助成事業を始めています。5つの市町にはなぜワクチン接種費用に助成をされたのか。他の58自治体には、「住民のワクチン接種へのニーズはありますか」「ワクチン接種に当たり何がハードルとなりますか」とアンケートを取ってくださいませんか。
3点目は、県内市町村へのアンケート結果を携えて、本県は国に働き掛けてくださいませんか。
以上3点、保健医療部長に御所見をお伺いいたします。
A.山崎達也 保健医療部長
まず、「ワクチンに対する国の動向について」でございます。
予防接種の目的は、病気にかかることを予防したり、人に感染させてしまうことで社会に病気がまん延することを防ぐことです。
感染症対策上、重要度が高いと考えられる予防接種については、予防接種法に基づき、予防接種を受けることを勧めています。
このうち、一定の年齢において接種を受けるものを定期接種と呼び、行政の費用負担により行われるほか、健康被害救済の仕組みがございます。
定期接種とするかどうかは、国の厚生科学審議会、予防接種・ワクチン分科会で審議、検討されます。
帯状疱疹ワクチンについては、令和4年8月4日に開かれた同分科会の小委員会において、引き続き、定期接種化に向けて検討しています。
小委員会では、期待される効果や導入年齢に関して検討が必要とされていることから、今後の議論を注視してまいります。
次に、「市町村へのアンケートの実施について」でございます。
現在、県内の5市町で帯状疱疹ワクチン接種に対する助成事業を実施しています。助成事業の実施に当たっては、地元の要望があったと聞いております。
現状やニーズ等を把握することは重要ですので、予防接種の現場である市町村に対して、アンケートを実施して実態を把握してまいります。
次に、「アンケート結果を携えて国に働き掛けることについて」でございます。
帯状疱疹ワクチンの定期接種化については、これまでも様々な機会を通じて速やかに検討を進めるよう要望してまいりました。
現場の状況をしっかりと調査しお伝えすることで、より効果的な要望になると考えられますので、議員のご指摘も踏まえ、国に対し定期接種化の要望を行ってまいります。
※上記質問・答弁は速報版です。
※上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
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