ウェルビーイング教育について

Q.蒲生徳明 議員(公明)

この言葉は、ウェル(良い)と、ビーイング(状態)を掛け合わせた言葉で、WHOが身体的・精神的・社会的に良い状態であることを表す言葉と定義し、短期的な幸福だけでなく、人生の意義など将来にわたる持続的な幸福を含む概念とも言われます。ビジネスの世界はもとより、昨年、こども家庭庁の発足で、我が国でも子供のウェルビーイングに本格的に取り組む動きが加速しています。
さて、日本は世界幸福度ランキングでこの10年、50位前後を推移しています。ある識者はこの結果について、日本は身体的な健康寿命こそ長いものの、鬱や自殺も多く、精神的・社会的な幸福度は決して高くない。また、ウェルビーイングには身体的、地域社会、経済などに分類でき、日本の順位には地域社会と経済が影響しているのではとおっしゃり、地域社会で良いつながりを持つ人は幸福を感じやすいという研究結果があるが、地域社会でのつながりの希薄化が日本の幸福度に大きな影響を与えていると。
また、経済も同様で、経済が低迷し格差が拡大する中、不安感にさいなまれた大人たちは、子供に希望のある話ができなくなる。それが子供のウェルビーイングの低下を助長していると話しています。
2020年にユニセフが行った先進国幸福度調査では、日本の子供たちの幸福度は総合順位では38か国中20位。この調査には、身体的健康、スキル、精神的幸福度の3分野があり、死亡率や肥満度で表す身体的健康では我が国は第1位ですが、生活満足度や自殺率で表す精神的幸福度は38か国中、何と37位でした。
識者は、この結果について教育分野からも分析をしています。ありのままの自分を認め、自分の強みを発揮し、お互いにそれを認めるという環境が、家庭や学校などの教育現場に浸透していないことが関係しているのではと言います。
ただ、日本の教育も変わりつつあるとも言います。個を全体に統合する正解主義の教育から、個々の特性を生かした思考力、判断力、実現力を養う教育に移行しようとしている。好きなことと、わくわくすることを追求する探究力を育て、点数ではかれない部活や行動で発揮される、やり抜く力などの非認知能力を養うことがウェルビーイングにつながると。
私は、本県の学校教育の分野において、埼玉の未来を開く主体者である子供たちのウェルビーイングを向上させることが大変重要であると考えます。そこで、子供たちのウェルビーイングを向上させるための教育を各学校で行っていく必要があると考えますが、教育長の見解を伺います。

A.日吉亨 教育長

ウェルビーイングについては、国の新たな教育振興基本計画に位置付けられ、学校においては、自己肯定感や協働性などの非認知能力を育むことが大切であると示されております。
これまでも、県では、自分自身に自信を持つことや、相手の気持ちを考え行動しようとすることなどの非認知能力に着目し、教育活動の充実に取り組んでおります。
具体的には、探究的な学びや他者との協働的な学びの充実に向け、優れた指導実践の事例などをまとめた参考資料や、研修プログラムを作成し、研修などに活用することで、教員の授業改善を行っております。
また、非認知能力を育むため、道徳教育や特別活動等において、子供たちが自己理解や他者理解を深めたり、学校行事などに主体的に関わったりすることで、ありのままの自分を表現し、お互いを認め合える指導を行っております。
今後とも、実践事例や研修プログラムの充実を図り、各学校において、子供たちのウェルビーイングの向上に向けた教育活動を推進してまいります。

上記質問・答弁は速報版です。
上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。

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