改正マンション管理適正化法への本県の対応について

Q.蒲生徳明 議員(公明)

国内のマンション数は現在約650万戸で、住民の数は1,500万人を超えます。その中で、築40年を超えるのが約81万戸あり、10年後に約200万戸に、20年後には約370万戸に急増すると言われます。そして、マンションの老朽化とともに住民の高齢化も進み、この2つの老いに早急な対応が求められる中、改正マンション建替え円滑化法、改正マンション管理適正化法の2つの改正法が本年6月に成立、公布されました。法改正を受け、全国5位のマンション戸数を抱える本県の対応について、今回は改正マンション管理適正化法に絞って伺います。
国は、この改正法の概要を「地方公共団体の役割強化とマンション管理の適正化の推進」としています。老朽化したマンションは、適正な維持管理がなされないと、自然災害時に外壁や手すりの崩壊など、周辺の居住環境に与える影響も大きくなり、マンション問題は居住者だけでなく地域住民にとっても重要です。
同法では、マンション管理適正化推進計画の策定などを行う事務主体を、市部については市、町村部については県と規定しています。しかし、県内各地の分譲マンション問題に対する取組には温度差があり、このままでは将来の居住環境に地域差が生じます。本改正法の趣旨を全県で生かすためには、当面、県がリーダーシップを取り、マンション問題に積極的ではなかった市も含め、県内各市が連携して主体的に取り組む環境を作ることが必要です。
そこで、今回の法改正で分譲マンションの管理施策の主体が県と市で明確となる中、県の役割について都市整備部長に伺います。
また、国の検討委員会は、専門家や専門機関との連携と情報共有が望ましいとしています。居住者の高齢化等で担い手不足が課題となる中、管理組合の運営サポートが必要になりますが、その点、マンション設備や構造、管理組合の運営など、専門的な知識を持つマンション管理士の活用は欠かせないと考えます。そこで、県は、マンション管理士等の専門家の活用をどう考えているのか、併せて都市整備部長に伺います。
 

A.濱川敦 都市整備部長

まず、管理施策の主体が県と市で明確となる中、県の役割についてでございます。
現在、県内でも建築してから40年以上の分譲マンションが約6万5,000戸あり、20年後には約29万9,000戸と、急増することが見込まれます。
そのため、本県においてもマンション管理の取組強化は喫緊の課題となっております。
県では、マンション管理の適正化を推進するため、平成26年に県独自の基本方針を策定し、県と市町村が連携して取り組むことなどを定めました。
この方針に基づき、県と市町などで構成された行政連絡会議や、民間団体を含む埼玉県マンション居住支援ネットワークの活動を通じて、管理組合への助言や支援を行っています。
今後は、この基本方針の中に、マンション管理適正化推進計画策定の促進に向けた考え方を盛込むなど、法改正を反映したものに見直してまいります。
県内の分譲マンションは、総数約45万戸のうち9割以上が市の区域に立地していることから、議員お話しのとおり、各市の積極的な取組が極めて重要となります。
県としては、行政連絡会議等を通じて、まずは法改正を周知徹底し、各市が危機感をもってマンション問題に取り組むよう、スピード感をもって働き掛けてまいります。
さらに、マンション問題に積極的な市とともに、率先して計画の策定に取り組み、そのノウハウを県全体に波及させる役割を担ってまいります。
次に、県では、マンション管理士等の専門家の活用をどう考えているのかでございます。
県では、平成26年度に実績のあるマンション管理士を登録するアドバイザー制度を創設し、平成28年度からは、この制度を活用した無料派遣を開始しております。
令和元年度は、管理運営に問題を抱えている52のマンションに派遣し、支援に努めております。
既に今年度は、昨年度の実績を上回るペースで派遣依頼があるなど、年々専門家の需要は高まっていることから、法改正により、専門家活用の重要性が更に増していくことが見込まれます。
県としては、県内全市町村や管理組合に対して、あらゆる機会を通じて、より一層このアドバイザー制度を周知し、専門家の活用を促すことで、マンションの適正な管理を推進してまいります。
 
 
上記質問・答弁は速報版です。
上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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