教育委員会の障害者雇用「水増し」問題と今後の対応について

Q.西山淳次議員(公明)

昨年8月下旬に、本県教育委員会で障害者雇用が水増しされていることが判明しました。再調査の結果、障害者としてカウントされた人で手帳を確認できない人、恐らく手帳を持っていない人が139人に上り、障害者雇用率は2.21%から1.66%へと下がりました。中央省庁で明らかになった障害者雇用「水増し」問題が、本県教育委員会でも行われていたというショッキングな事案です。この水増し問題をめぐり県教育委員会は、原因を究明する検証委員会と今後の障害者雇用を推進するための委員会を立ち上げ、外部有識者による検討を重ね、今年2月、それぞれ最終報告が教育長に提出され、公表されました。
まず、なぜ水増し問題が起きたのか。手帳のない人を障害者としてカウントしたことを「水増し」と言うわけですが、検証委員会のヒアリングによると、県教育委員会は、手帳の確認をずっと行っていませんでした。少なくとも平成3年までさかのぼっても、手帳確認はしていないことが分かりました。結局、いつからそうなったのか分からない。手帳を確認する文化がもともと県教育委員会にはなかった。
平成17年、国から障害者の把握には手帳所持を確認するよう求めるガイドラインが出ますが、県教育委員会の考え方は変わりませんでした。障害者雇用率も低いままでした。こうした状況で、県教育委員会は厚労省から、障害者雇用率の達成に向けた勧告を平成19年以降たびたび受けます。焦った県教育委員会は、平成26年、幹部打合せの中で、障害者を発掘するために全教職員に行っている悉皆調査において、障害の有無を自己申告させ、手帳を持っていない人も計上する方針を決定をいたします。そして、県教委の障害者雇用率は徐々に上昇し、平成28年には法定雇用率達成と喜んだのもつかの間、一転して、平成30年に水増し問題の発覚に至りました。
今回の調査結果を私なりに解釈すると、県教育委員会には、もともと手帳を確認するという意識が希薄でした。加えて、大多数を占める現場の教員で障害者雇用が困難という状況もあり、苦し紛れに安易な方向に行ってしまったと受け止めました。また、誰が原因という属人的な問題ではなく、県教育委員会という組織が持つ前例踏襲主義、事なかれ主義が問題を放置してしまったことも否めません。
そこで、教育長に伺います。
原因は、属人的な問題ではないとはいえ、報告がまとまり、けじめをつける意味でも、関係者に対する処分は必要と考えます。この点に関するお考えをお聞かせください。
また、今回の報告書で明らかになったのは、県教育委員会という組織の体質とも言うべき問題です。安易な前例踏襲や組織間の縦割りが報告書でも指摘されました。残念なことに議会や県民からも、県教育委員会が閉鎖的ではないかとの意見がしばしば聞かれます。今回の事案を契機に、県教育委員会の組織、風土を見直し、新たな出発の契機としていくべきと思いますが、教育長の見解を伺います。
3点目として、推進委員会の報告書の提案も受け、障害者雇用の法定雇用率達成に向けた具体策も新年度予算案に盛り込まれました。目標達成の決意を伺います。
 

A.小松弥生 教育長

まずは、この度の障害者雇用に係る不適切な数値計上を行ってきたことにつきまして、県民の皆様、県議会の皆様にあらためてお詫びを申し上げます。
最初に、「関係者に対する処分」についてでございます。
一連の不適切な事務について、昨年10月、教育行政に対する県民の信頼を著しく失墜させたとして、私自身、教育委員会から厳重注意を受けました
また、副教育長をはじめ、事務を所管する課長以上の幹部職員10名に対して私から文書注意を行ったところでございます。
今月18日には、「障害者雇用検証委員会」からいただいた最終報告の内容を踏まえ、私自身に対し教育委員会から改めて厳重注意がなされ、今回は知事からも文書で厳重注意がございました。
職員の処分についてでございますが、現在、関係職員のヒアリングを行っており、その結果を踏まえ、厳正に対処してまいります。
次に、「教育委員会の組織風土を見直し、新たな出発の契機としていくべき」についてでございます。
検証委員会からは、障害者雇用義務制度等に対する職員の認識・理解不足とともに、安易な前例踏襲や、組織間の縦割りなどの問題点を指摘していただきました。
今後、様々な機会を捉えて、安易な前例踏襲を繰り返さないよう、事務の見直しを徹底するとともに、職員が自由に意見を述べ闊達に議論することができる職場づくりに努めるよう幹部職員を指導してまいります。
また、効率的な業務運営の確保を目的として行政監察を実施しておりますので、この中で、「各所属で適切な事務処理がなされているか」、「様々な意見を反映できる状況にあるか」などを実地に点検してまいります。
さらに、教育局内の縦割り文化を解消するため、複数の組織にまたがる業務の場合には、事務を統括する主担当を決め、調整にあたらせるなど、仕事の進め方の改善に努めてまいります。
また、平成31年度からは、学校を含め、教育局に勤務する教職員からの意見やコンプライアンスについての相談を受け付ける窓口も設置してまいります。
次に、「法定雇用率達成に向けた決意」でございます。
障害のある方の活躍の場の拡大に努め、学校をはじめとする教育現場で障害者が生き生きと働いていることは、児童生徒のみならず保護者や地域の人々の障害者理解を促進し、共生社会の進展に貢献するものと考えます。
そのため、平成31年度予算案では、障害者を非常勤職員として雇用するための経費や、障害者をサポートする支援員を配置するなどの、障害者の働きやすい環境を整備するための経費をお願いしております。
県議会の御理解、御支援のもと、しっかりと取組を進め、教育委員会といたしましては、平成32年12月31日までに法定雇用率2.4%の達成に努めてまいります。
 
上記質問・答弁は速報版です。
上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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