子ども若者政策の拡充について-子どもアドボカシーの取組について-

Q.橋詰昌児 議員(公明)

コロナ禍で一層進んだ少子化に加え、貧困や虐待、いじめ、不登校など子どもや子育てを取り巻く環境・問題は深刻化・複雑化しており、子どもと家庭を社会全体で支える取組が求められています。こうした課題に対応するため、昨年4月に施行されたこども基本法では、国を挙げて取り組む子ども政策の基本理念や国、自治体の責務のほか、今後5年程度の政策の方向性を示すこども大綱の策定を定めております。
政府は昨年12月、少子化対策のこども未来戦略とこども大綱を決定し、全ての子どもや若者が幸福な生活を送ることができる「こどもまんなか社会」の実現を目指す姿勢を示すとともに、成長段階に応じた切れ目ない支援策を記しています。
「こどもまんなか社会」の実現を目指すためにも、以下数点にわたり質問をいたします。
(1)子どもアドボカシーの取組について。
2019年の野田市での虐待死事件など、虐待の疑いがあっても保護をためらって子どもが亡くなる事件が発生をしています。
本年4月施行の改正児童福祉法では、虐待防止、児童相談所の体制強化として、児童相談所における子どもの意見聴取の仕組みが整備されました。弱い立場の子どもが自由に意見表明をする権利を守る取組、子どもアドボカシーに積極的に取り組むことが必要です。
先日、会派で子どもアドボカシーセンター福岡を視察させていただきました。同センターでは、子どもの意見表明権の保障及び子どもの最善の利益の実現に向けて子どもアドボカシーを実践する人、いわゆる子どもアドボケイトの養成や派遣、人材育成、普及啓発及び調査研究等を行っておられました。
子どもアドボケイトの派遣は、児童相談所に併設された一時保護所のほか、児童養護施設や障害児入所施設など市内45施設へ、また、里親家庭への訪問も実施され、本年度上半期における子どもアドボケイトの訪問人数は延べ332人、面談した子どもの人数は延べ362人となっています。
また、子どもアドボカシーを必要としているのは、社会的養護下にある子どもたちだけではないことから、学校や公民館など地域の子どもの居場所にも訪問をし、子どもアドボカシーについての啓発が行われています。その活動の中から生まれた子どもの権利ワークショップ「きかせてジャーニー」は、子ども自身が自分の声を表現し、お互いの声を聞き合う体験を通して子どもの権利を学ぶことができるプログラムで、様々な場面で活用できるものです。全体的に、非常に熱意を持ち活動をされておりました。
本県でも、痛ましい事件や事故をなくすための最善の努力するとして、子どもアドボカシーへ積極的に取り組むべきと考えます。そこで、まずは今回の改正児童福祉法の対象である一時保護や社会的養護に係る子どもへの子どもアドボカシーについて、県として今後どう取り組んでいくのか、福祉部長の見解を伺います。

A.金子直史 福祉部長

子供の権利擁護、いわゆる子どもアドボカシーは、子供本人が意見を形成・表明することを支援したり、子供本人の代弁をする制度で、「こどもまんなか社会」の実現に向けて、必要不可欠な取組と考えております。
令和6年4月施行の改正児童福祉法では、一時保護中の児童等からの意見聴取、及び入所等の措置や処遇に対し、児童が意見を述べることができる体制整備が、都道府県の責務として明文化されました。
県では、これまでも一時保護児童に対し、児童相談所職員等が意見を聴取する取組を行ってまいりました。
さらに、来年度は新たに一時保護児童等が意見を表明しやすくなるよう弁護士や社会福祉士などの専門家を意見表明等支援員として養成し、派遣する事業費を予算案として計上したところでございます。
また、児童相談所の措置等に対し、新たに児童が申立てを行うことができるようになったため、そうした場合に備えて、第三者による調査審議等を行う機関も、設置してまいります。
県といたしましては、児童の意見を尊重し、児童の最善の利益が図られるよう、子どもアドボカシーの推進に積極的に取り組んでまいります。

上記質問・答弁は速報版です。
上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。

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