■県が半額負担 市町村の事業後押し
県の同支援事業は、「アピアランス助成事業」と「AYA世代終末期在宅療養支援事業」を実施する県内の市町村を対象に、各自治体がそれぞれのがん患者に支払う助成額の半分を県が補う仕組み。県内全63自治体のうち、がん患者への経済的支援を実施している自治体数は、アピアランスケアが21市町、AYA世代のターミナルケアが10市町(2024年6月6日現在)。本年度以降の実施予定や、実施に向けて検討している自治体も増えている。
「アピアランス助成事業」は、抗がん剤治療によって頭髪が抜け落ちてしまった人や乳がんの手術で乳房を切除した人が対象。ウィッグ(かつら)や補正具などの購入費に適用する。
「AYA世代終末期在宅療養支援事業」は、介護保険の対象外である39歳以下の終末期がん患者が安心して自宅で最期を迎えられよう、療養生活に必要な介護サービス料を助成する。例えば、週1回の訪問介護・入浴介護と福祉用具の貸与費用や、福祉用具の購入費用、医師などの意見書作成料が補助メニューとなっている。
本年度から両事業を開始した久喜市は、アピアランスケアとしてウィッグなどの購入費を上限1万円で補助。39歳以下のがん患者の在宅ターミナルケアとして、訪問介護・入浴介護、福祉用具のレンタルなどのサービス利用料を9割(月額上限7万2000円)助成するほか、腰掛便座や簡易浴槽といった特定福祉用具購入費の9割(上限9万円)、申請に必要な意見書作成料を5000円まで補助する。同市担当者は「県の補助があることで自治体の負担が抑えられるので、両事業を開始しやすい環境になった」と語る。
■県内の公明議員、一丸となって推進
がん患者への支援については、蒲生団長が2016年12月定例会で訴えたことを皮切りに、党県議団が一貫して推進。20年12月定例会で橋詰昌児議員が、22年9月定例会で萩原一寿議員が、昨年2月定例会で西山淳次議員(当時)が粘り強く訴えてきた。現在も党のネットワークの力を生かし、各自治体で公明議員が議会質問や予算要望を実施するなど、支援が一人でも多くのがん患者に届くよう、一丸となって事業の展開を進めている。