ペットとの共生と人獣共通感染症の予防について

Q.石渡 豊議員(公明)

ペットとの共生、多くの方が共感なされると思います。私もその一人です。
先月1月15日、産経新聞にこのような記事がございました。見出し、「犬猫から感染症 死亡 国内初 福岡の60代女性」とありました。記事を読み進めますと、犬や猫から人間に移る人獣共通感染症、病名はコリネバクテリウム・ウルセランス感染症。女性は、3匹の猫に野外で餌をやっていたといい、そこからの感染が疑われているとあり、続けて、厚生労働省は、ペットとの濃厚な接触は避け、体調が悪くなったらすぐに医療機関に行ってほしいと注意を呼び掛けているとありました。国の注意喚起、「濃厚な接触は避けて」は頭では分かりますが、我が家のペットの犬や猫が、ワンちゃんや猫ちゃんが体調が思わしくないときは、思わず優しくなでてあげたり、添い寝をしてあげたりするものです。クシュン、せきも汚くないし、餌を口移しでやりたくなるのが人情というものです。
このコリネバクテリウム・ウルセランス感染症の発生状況ですが、2001年から2017年11月まで25例ございました。人獣共通感染症とは、「動物から人に病原菌が感染すること又は、その感染によって起こる病気のこと」とありました。
早速、地元の上尾伊奈獣医師協会の先生方にお尋ねいたしました。上尾伊奈獣医師協会は、狂犬病予防注射の接種向上に積極的に取り組まれ、「愛犬フェスティバル」を通して県民に動物愛護を啓発され、本県施策、地域猫活動へも先駆的に取り組まれ、無料で不妊去勢手術をなされてもいらっしゃいます。したがって、上尾市からも伊奈町からも感謝状が授与され、また、昨年の10月には本県上田知事からも感謝状が贈られた団体であります。
先生方からは、「私たちは、犬猫のペットのみならず、家畜や野生動物からたくさんの恩恵を受けています。近年は、伴侶動物と言われるぐらい家族同様の思いを持っています。しかし、人獣共通感染症は拡大する方向にあります。里山の崩壊により、ペット、家畜、野生動物が密接していることも一因。また、飼い主とペットの高齢化も感染を重症化させ、助長していると考えられます。この人獣共通感染症という病気は、世界中では約200種、日本では主なものでも約30種類以上あると言われているのです。」とお答えいただきました。
それでは、3点お伺いいたします。
1点目は、強毒性鳥インフルエンザという強い毒性のある感染症が県内で発生するという有事を見越して、本県は発生時対応マニュアルを作成、市町村に配布されているとお聞きしました。市町村はよいのですが、一般県民が死亡した鳥や衰弱した鳥を発見したとき、どうしたらよいかは分かりません。まずお聞きしたいのは、県民がたまたま発見した死亡した野鳥への本県の対応状況についてお聞かせいただきたいと思います。また、県民への啓発が必要と考えます。県民に分かりやすいものを作成し、配布するお考えはあるのかお聞きします。環境部長に御所見をお伺いします。
2点目は、動物取扱業を営む業者への指導について伺います。動物の愛護及び管理に関する法律により、届出、登録、研修を本県が行うわけですが、人獣共通感染症を未然に防ぐ指導はどのように行われておりますか。また、動物とともに飲食をするお店においては万全の指導が求められますが、本県はどのように指導されておりますか。動物の健康は、従業員や顧客の安全は、獣医師との連携はという観点から、具体例を通してお答えください。保健医療部長の御所見を伺います。
 

A.宍戸信敏 環境部長

県民が死亡した野鳥などを発見した時の対応についてお答えを申し上げます。
まず、県の対応状況でございます。
鳥インフルエンザは渡り鳥が媒介し、ニワトリなどの家きんやペットの鳥に感染する恐れがあります。
このため、渡り鳥など死亡野鳥の鳥インフルエンザ感染の有無について早期に検査し対応することが重要でございます。
県民の方が死亡した野鳥を発見した時は、県や市町村へ通報していただくことをお願いしております。
県では通報を受け次第、直ちに死亡個体を回収し、速やかに鳥インフルエンザの検査を実施しております。
平成29年度は現在までに17件92羽について鳥インフルエンザの検査を実施し、結果はすべて陰性でございました。
次に、県民に分かりやすいものを作成し配布する考えはあるかについてでございます。
県民の皆様には、県のホームページで死亡した野鳥などを発見した場合は素手で触れずに、県や市町村に通報することをお願いしております。
また、死亡野鳥の鳥インフルエンザ検査結果を報道発表する際にも、それと併せて死亡した野鳥に素手で触れないことを必ず注意喚起してもらっております。
県民の皆様に対応方法を広く知っていただくためには、議員御指摘のとおり、きめ細かく広報していくことが重要でございます。
そこで、これまでの県の広報対応に加え、市町村にも御協力いただき、広く広報を行ってまいります。
具体的には、死亡野鳥を発見した際の対応や鳥インフルエンザに関する情報について誰にでもわかりやすい広報資料を県が作成し、市町村の広報紙やホームページに掲載していただくことで、より多くの県民の方が情報を得られるように取り組んでまいります。
また、併せて小中学校等へも周知し、児童・生徒にも注意喚起をお願いするなど、死亡野鳥の対応について徹底的な周知に努めてまいります。
 

A.本多麻夫 保健医療部長

まず、動物取扱業者への指導についてです。
ペットショップなど動物取扱業者は、多くの動物を同時に取り扱うことから人獣共通感染症を含む感染症が発生しないよう動物の健康を守る必要があります。
そのため業者の責務として、法に基づき動物を仕入れる際の健康確認、日常の施設状況や健康管理に係る台帳管理、ワクチン接種、病気やけがをした場合は獣医師の診療を受けさせることなどが規定されています。
また、業者は、動物取扱責任者を選任し、毎年1回研修を受けさせる義務がございます。
県は、動物取扱責任者研修を開催し、人獣共通感染症や施設の衛生管理、関係法令などの知識の習得を徹底しております。
さらに、保健所職員が必要に応じ立入検査を実施し、施設の衛生管理や動物の健康管理が適正であるかを確認し、人獣共通感染症の予防も含め、法令で定められた責務や遵守事項について指導しております。
次に、動物と共に飲食をするお店における指導についてです
動物と共に飲食をするお店には、いわゆる猫カフェのようにお店の動物と触れ合うことを目的とするお店とドッグカフェのように飼い主が同伴するペットと客席で共に飲食できるお店があります。
動物の健康については、猫カフェでは、動物取扱業として健康管理を指導しています。
また、ドッグカフェは、動物取扱業ではないことから、ペットの適正な健康管理は、飼い主の責任となります。
従業員や顧客の感染症予防については、食品衛生法に基づき、人と動物の食器を共有しない、従業員の健康診断や手洗いの徹底などの衛生管理を指導しております。
獣医師との連携につきましては、動物と共に飲食をするお店に限らず、人獣共通感染症の発生動向に注視し、必要に応じ、開業獣医師などとの情報共有や連携に努めてまいります。
人獣共通感染症の原因となる細菌やウイルスなどの病原体は、多くの場合、ペットの糞尿や唾液に存在します。
ペットを抱いたり、なでたりするだけでは感染しませんが、ペットにキスをしたり、同じ布団で寝るなどの感染リスクを伴う濃厚なコミュニケーションはしない。
トイレの世話をした後には、必ず手洗いをするといったことが感染予防上は、大変重要となります。
今後とも、業者に指導を行うとともに、人獣共通感染症に関する啓発物の配布や動物愛護フェスティバル、彩の国だよりなどを利用し、広く県民への周知に努めてまいります。
 
 
上記質問・答弁は速報版です。
上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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